ウィーン美術アカデミーのコレクションを展示する美術館です。
アカデミーの建物のワンフロアの一角がギャラリーとしてあてられています。
美術学校付属の施設のためか、エントランスはこじんまりとしていて、チケット売り場もちょっとしたミュージアムショップと一体になっていました。
調べると近年改修したばかりだそうです。
コレクションは、ルネサンス、黄金期フランドル絵画、スペインなどのバロック絵画が中核をなしています。
日本でも企画展が開かれたことがあるので知られているかと思います。
クラナハ、ヒエロニムス・ボス(重要作品の「最後の審判」があります)、ルーベンス、ロイスダール、デヘーム、レンブラント、ヴァン=ダイクなどは見事な作品が鑑賞できます。
個人的には、フランチェスコ・グアルディの海景画、ヤン・ウィーニクスの狩猟静物画なども良いと思いました。
15世紀の宗教絵画からハインリヒ・フューガーなどの18世紀絵画まで幅広いコレクションを有しています。
美術館は、建物の一片分の仕切りのない長い展示室がメインのギャラリーとなっており、それほど大きくはありません。2時間もとれば十分に味わって鑑賞してこられると思います。
目立たない印象もありますが、セセッシオン、美術史美術館のあるエリアにあるのでアクセスも良く、余裕があるのであれば併せて訪れたい美術館です。
ウィーンの美術館といったら、美術史美術館というほど有名であり、重要度からいっても第一級の美術館です。
美術史美術館所蔵作品の展覧会は日本でも何回か開催されているので、日本でも結構なじみのある美術館だと思います。
外観はもちろんですが、内装も非常に優雅で気品あり、特にクリムトが手掛けた装飾画はひとつの見どころです。
マリアテレジア広場を挟んで向かいには、自然史美術館があります。
ルネサンス、フランドル、バロックと非常にクオリティの高いコレクションを有しています。美術史美術館については、展示内容は至る所で紹介されているので、ここでは逐一挙げませんが、18世紀までの絵画に興味があって行けば自分のお気に入りの一枚に出会えるはずです。
展示室は大きく、壁一面に絵がかかっているギャラリーもあります。ソファもありゆったり鑑賞できます。
目玉のひとつのフェルメールの「絵画芸術」は上野に来たときは遠くから眺めるだけでしたが、ここでは近くで細部まで鑑賞することができました。
コレクションの核のブリューゲルもじっくり見られました。デューラー、クラナハなどもそろっています。
イタリアのバロックでは、カルロ・マラッタの作品が気になりました。やわらかい温かみのあるデッサンとタッチが聖母子像と非常にマッチしていると思いました。
カフェを併設しており(カフェ・ゲルストナー)、食事をしたりお茶で休んだりして、ゆったりと鑑賞できるのも非常に嬉しい。
ミュージアム・ショップも面積が広く(2Fにもあり)、いろいろなものを扱っています。
ウィーンに行ったらまず訪れたい美術館です。
カールスプラッツ駅舎などのあるカールスプラッツにある博物館、美術館です。
HPを見ると、ウィーン・ミュージアムはいくつかの施設からなる複合博物館のようで、ウィーン・ミュージアム カールスプラッツはその中の一つです。
展示内容は実に多岐に渡り、絵画、彫刻などの他、家具、テキスタイル、工芸装飾、考古学資料などまで含んでいます。
クリムトやシーレの有名作が展示されていることはよく紹介されていますが、それだけではなく、ウィーンについて歴史的に多角的に知ることのできる博物館なので、ウィーンに関心がある人には楽しめる施設だと思います。
ウィーン・ミュージアム カールスプラッツの絵画コレクションですが、大まかに見て、ルネサンス~18-19世紀まで、ビーダーマイヤー絵画、ウィーン分離派・世紀末美術に大別できると思います。
かなり古い年代のものもあるのですが、近代絵画に目を向けると、オーストリア画壇では知られた、ハンス・マカルトのあやしい雰囲気を持った女性像が目を引きます。マカルトの作品は各美術館に数点あったのですが、この旅の中で、もっと作品を見たい、と気になった画家ですね。デッサンの上手さは文句なしに伝わってきますが、それだけではなく、表現や仕上げ・塗りまで個性的で引き込まれます。
ビーダーマイヤー絵画では、ヴァルトミュラーの作品がかなり充実しており、ベルヴェデーレ(オーストリア・ギャラリー)も併せて鑑賞すればかなりの数のヴァルトミュラー作品を見ることができます。ヴァルトミュラーが多作なのか、ウィーンの美術館に特別に集まっているのか。
作品数でおよそ20作品くらい展示してあり、風景画で出来の良い作品が集まっていると思いました。
アメリングは男女の恋人を描いた円形の作品が1点あるのみでした。完成度の高い作品なので1点でも見応えがあります。
ダンハウザーの愛らしい子供を描いた作品も良かったです。
その他近代絵画では、カール・モル、Ferdinand Kruis(1869-1944)などの作品も良いものがありました。
世紀末絵画では、上記した通り、クリムト、シーレのクオリティのある作品が数点ずつあるので、これだけでも拝んでくる価値があると思います。
常設展示以外にもコンスタントに企画展を開いているようです。
旅行本などではさらっと紹介されている気配がありますが、意外にもボリュームがあり濃い美術館だと思います。
ウィーンの中心に位置する美術館で、ハプスブルク家の宮殿としてあったものです。
実際に行ったり地図を見たりすると分かるのですが、何気にホーフブルク王宮の一角を構成しています。
この美術館は、教科書にも載る有名作であるA.デューラーのウサギの水彩画を収蔵していることで知られています。このデューラーの水彩、素描を代表として、版画や素描の一大コレクションを持つ美術館とのことで、公式HPには、「版画素描コレクションはゴシック後期から現代までの約 5万点の素描・水彩画と90万点の版画を網羅しており、世界でもっとも重要で包括的なコレクションの一つ」であると紹介されています。
常設展示で、デューラーの作品4.5点と、ミケランジェロ、ラファエロのデッサン、ルーベンスの人物表情を描いたデッサンなど巨匠の作品を多数公開していました。デューラーの作品については、日の差す窓際に展示していて、光などの影響は大丈夫なんだろうかと、そしてこれは(レプリカじゃなくて)真作なのかと思ってしまいましたが。
その他、ユベール・ロベール、グルーズ、フリードリヒ、シーレの作品もありました。
数十万の素描・版画コレクションと聞くと、膨大な展示量で見て回るのが大変なのかと思ってしまいますが、実際に公開展示しているのはごく一部であり、2時間もあればゆっくり鑑賞できる程度です。
また、展示室は宮殿の各部屋を利用しているので、宮殿の室内装飾、彫刻、家具調度品なども一度に楽しめる環境になっていました。特にシャンデリアなどはとても美しくかつ迫力ありましたね。
素描コレクションを展示する宮殿の部屋のほかに、通常の美術館の展示室として整備されたフロアもあり、常設展、企画展に利用されていました。
訪れたときは、「マネからピカソ」というタイトルでコレクションを紹介していました。
モネ、セザンヌ、ルノワール、ドガなどの印象派、ポスト印象派周辺、ムンク、ピカソ、マグリットなど素描に劣らない近代画コレクションを展示していました。
個人的には、ジャコメッティの子供を描いた絵が気になりました。
ミュージアムショップも広く充実していて、デューラーのウサギグッズなどのオリジナル商品もありました。
コレクションのクオリティーも折り紙つきで、宮殿内部も一見の価値ありですので、おすすめの美術館です。
ウィーンのユーゲント・シュティールを体現する、シンボリックかつメモリアルなモニュメントです。
金のキャベツの異名をとる通り、月桂樹の金色の球体装飾を建物の頂に配しています。
建築、装飾を見るのだけでも十分面白いです。
入口の大きなカメを亀が支えていたりと。
セセッシオンは、クリムトの著名な壁画である「ベートーベン・フリーズ」を展示していることで知られていますね。
行く前は、天井付近に描かれている壁画を地面から見上げて眺めることになるのかと思っていましたが、展示室には物見櫓のような台が設けてあり、目線の高さで鑑賞することができるようになっていました。
「ベートーベン・フリーズ」は装飾的、立体的に描かれているので、近くによって確認しながら鑑賞できたのは良かったです。
セセッシオンは、企画展を開くギャラリーも併設しています。
自分の行ったときは閉じていました。
また、ミュージアムショップは、グッズ、書籍ともに充実していました。
大きい美術館は見回るだけでも疲れてしまいますが、セセッシオンは「ベートーベン・フリーズ」だけなら30分もあれば十分に堪能できます。