芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • ルーヴル美術館 Musee du Louvre


    いわずもがなの世界最大級の総合美術館。
    まったくもって、その展示品の幅広さ、貴重さは見るものを圧倒させます。
    このようなところで、とても紹介できるようなものではありません。ここでは、幾つかの見所と、絵画部門について少し書かせてもらいます。

    絵画は、下から順路を考えて並べると、二階(仏では一階分引く、これ以降省略)に、イタリア絵画、19世紀フランス絵画の大作、スペイン絵画、三階に、フランドル絵画、フランス絵画と簡単に分けることができます。また一画ずれて、二階にイギリス絵画があります。
    まず、いうまでもないことなのですが、コレクションの膨大さには驚嘆です。特にイタリア絵画は最初の日に見たのですが、100メートルくらいにわたって両側に絵がかかっているわけですから。イタリア絵画をメインとする二階で一日かかりました。
    この二階では、フランス絵画の大作をおいてあるグラン・ギャルリーが特に良いですね。新古典主義と、ロマン主義に分けて展示してあります。
    新古典主義セクションでは、ダヴィッドの「ナポレオンの戴冠式」「ホラテウス兄弟の誓い」などの代表作が、壮大さとある種の緊張感をもってそびえている感じで、アングルによる幾つかの秀逸な肖像画や「グランド・オダリスク」、初期シャセリオーの新古典主義画風による作品などがそれに続きます。
    ロマン主義の方では、ドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」「キオス島の虐殺」、ジェリコーの「メデュース号の筏」などの力強い作品があります。
    どちらともに、世界史の資料集などで一度は目にする絵で、やはり、巨大なキャンヴァスに描かれる生の絵は違いますね。
    それとここでは、ドラクロワの影響を受けた、ロマン主義的画風の方で有名なシャセリオーの、新古典主義画風の作品を見られて、彼がアングルの弟子と再確認されるとともに、その天才性に惹かれました。「シュザンヌの水浴」は、ひときわ異彩を放っていました。彼については、また違う機会に論じたいと思います。それと、シャセリオーの絵は、何と、グラン・ギャルリーとフランス絵画部門以外にもルーヴルに展示されています。それは、18,19世紀のフランス彫刻のセクション。多分、そんじゃそこらにはこの情報はかかれていないのでは。三日にわたりルーヴルを徘徊した結果に見つけたものです。

    二日目は、三階へ行き、フランドル絵画のセクションから見ました。ここは、なんといっても、ルーベンスでしょうね。展示室の四方に、巨大キャンヴァスを埋め込んで空間そのものを展示している、「マリー・ドゥ・メディシスの生涯」。圧巻です。
    そして、14世紀から始まるフランス絵画部門を見て、この後19世紀フランス絵画部門に行ったのですが、なんと閉鎖中。一日目も、最後に様子伺いに行った時に閉鎖していて、その時は時間が遅いから閉めたんだと思っていましたが、その期間閉鎖中ということだったらしい。行きたい美術館は改修閉館していて、ルーヴルの19世紀フランス絵画まで見れないで帰国、と思うと絶望という感じでしたが、係員に聞くと、滞在最終日であった、次の日には開くということ。本当に神に感謝してしかるべきなレヴェルで助かりました。

    そういう経緯で、前日からドキドキハラハラで落ち着かなかった、予想外のルーヴル三日目は、19世紀フランス絵画部門。
    意外に思ったのが、アングル、ドラクロワ、ジェリコーなどの有名画家は一室、一スペースを割いて展示しているのですが、その他の画家の作品が少ないな、ということです。19世紀に入ってくると、もうオルセーの領域ということなんでしょうか。もっと幅広く作品を見たい感じを強く受けました。それでも、やはりアングル部屋などはレヴェルは相当なものです。

    フランス絵画部門を概観すると、やはり個人が寄贈したコレクションはインパクト、充実度が違うな、という印象を強く受けました。多分に、これは、趣味良く、質の良い、まとまった絵画を一室に展示できている、という要因からくるものですが、こう考えると、展示室の構成が印象を変える力というものをはっきりと感じさせられます。
    それと、コローはオルセーなどよりも、コレクションがそろっていました。コローのセクションは、風景だけではなく、人物画など広く、コローの画風や画題を見ることのできる一番の環境だと思いました。

    あと少し、絵画以外の見所を紹介します。
    まず、ミロのヴィーナスやニケは除くとして、見てみるとすごいのが、「ナポレオン三世の居間」。いろいろと王侯貴族にブルジョワの部屋を見てきましたが、これが多分一番ヤバいでしょう。やるもやったり、っていう感じですね。
    それと、フランス彫刻を集めた、マルリー、ピュジェの中庭。中庭といっても、緑が多く茂っているわけではなく、高い天井と、広い空間の中に、彫刻が点在していて、まあ、そこに木などが配置されている感じで、とても気持ちがいいです(下図)。ここでソファを持ってきて昼寝したい気分です。

    ルーヴルの注意点としては、展示室の閉鎖という問題です。これは二種類あって、まず本当の改修や整理などで閉鎖している分には仕方なく、規模も小さいので納得できますが、気をつけたいのが、上で挙げた、入場制限的な閉鎖です。学芸員や監視員の人手不足で、展示室を空けられないのか、どうか分かりませんが、僕の行った時は、一度に絵画の全てを公開していることはなく、どれかのセクションを一度に閉鎖してました。
    「ルーヴルは一日では見切れない」は常套文句ですが、これには意味が複数あって、美術館の広さ、展示品の多さで周りきれないという一般的意味と、展示室を閉鎖していて、見たくても入れないので見れない、という意味が大きいです。
    閉鎖している展示室は予め分かるというようなので、一度に見れないと致命的な状況に至ってしまう方は確認を奨めます。こういうことは、観光ガイドには、詳述していることが稀であるので、とまどいましたね。

    カフェ、レストランは充実しているし、書籍コーナーは画集ではおそらく一番揃いが良く、地下にはショッピング街があり、どこをとっても総合美術館でした。




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    コメント
    この記事へのコメント
    ルーベンスすごいです
    初めまして^-^ランキングから飛んできました。
    私はルーベンスが好きなので、ルーブルのでっかい画を前に、しばし放心状態になりました。やはりルーブルの雰囲気は、気品が一味違う気がします。
    TBさせてください!よろしくお願いします^-^
    2005/10/16(日) 17:18:56 | URL | izura #-[ 編集]
    どうも!
    そうですね。
    ルーヴルのあのルーベンスの連作の部屋は、すごい迫力がありますよね。
    部屋そのもので、本当に一つの芸術作品・空間になっていて、そこでしか味わえないものがありました。
    2005/10/16(日) 20:36:34 | URL | webcat #-[ 編集]
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    谷 克二, 旅名人編集部, 武田 和秀フランドル美術紀行―ベルギー「美の巨匠」との出会い結構好きです、旅名人ブックスシリーズ。買い揃えるにはちと高い(1800円)けど、すぐにでも行ってみたくなるような写真がずらり。文章と写真が半々くらいの構成なんだけ
    2005/10/16(日) 17:14:03 | 無節操ニンゲンのきまま生活