芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • ウォレス・コレクション


    6-7月でロンドンを回ってきたので、いくつか美術館レヴューを残しておきたいと思います。
    まずは、ウォレス・コレクションから。
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    18、19世紀の4世代に渡るハートフォード侯爵家のプライベートコレクションを基礎にしたコレクションで、屋敷とこのコレクションを受け継いだリチャード・ウォレスの名によっています。リチャード・ウォレス自身も美術収集を行い、コレクションを拡充したようです。彼の死後は英国政府に寄贈されており、入場は無料です。

    貴族の屋敷、美術コレクションということで、邸宅そのものが美術品という趣であり、コレクションもその性格を色濃く映しています。
    家具・調度品はもちろん、武具(甲冑、剣、鉄砲)が大変多く、中世の騎士文化などに興味がある人にとっても見る価値が大いにありそうです。

    この美術館については、あまり事前の知識がなく行ったので、ロココ美術が多少あるだけで時間がなければ省いてもいいかと思っていました。訪問したときも、一階の武具や調度品を見ている段階ではまだそのような感想を持っていました。しかしながら、2階の絵画コレクションを見るとそのような考えは一掃され、ウォレス・コレクションの重要性やクオリティの高さがすぐに分かりました。
    イギリスやロンドンの観光ガイドでは大英博物館やナショナル・ギャラリーなどがまずもって推されますが、ウォレス・コレクションも全然引けを取っておらず、比較するのもあまり正しいとはいえませんが、クオリティでは(西洋美術館をもってしても)日本の美術館ではかないそうにありません。これほど一般認知度とコレクションのクオリティが乖離した美術館もあるのかというほどで、ヨーロッパで西洋美術を鑑賞するのであればまず押さえておきたい美術館です。
    ※調べると、外部貸し出しを行わないとの記載が散見され、そういったことからも認知度が抑えられているのかと思います。

    フランドル絵画、ロココ絵画、19世紀フランス絵画(新古典主義、ロマン派、バルビゾン派等)がコレクションの核をなしており、何度も言いますが教科書級、代表作級の絵画がいたる壁中に凝縮されています。
    驚いたのが、オーラス・ヴェルネの作品数で、計24点あるとのことで、個人美術館かと思わせるほど充実しています。オーラス・ヴェルネ以下、ドラロシュやアリ・シェフェールなどフランス絵画は、リチャード・ウォレス(もしくは第四代ハートフォード侯爵)が同時代に直接買い付けたものだと思われますが、19世紀仏絵画コレクションの存在はまったく知らず、また英国で鑑賞できる期待もなかったために、これほどの充実ぶりに非常に満足しました。
    日本語版ウィキペディアに作品数等も含め、かなり詳細にコレクションの内容が書かれているのを訪問後に発見しましたが、省かれている画家も結構あり、現地でメモした画家リストを残しておきます。
    また、キャプションはほとんどが額についたプレートのみで、別個に壁などに付されたものは基本ありません。


    ○ルネサンス絵画
    ティツィアーノ 

    ○フランドル絵画
    フランス・ハルス
    レンブラント
    ロイスダール
    メツー 多数
    ヤン・ウェーニクス 大ギャラリーの2点の対となる大作は圧巻。
    ヨールダンス
    ヴァンダイク 大作あり

    ○スペイン絵画
    ムリーリョ 大作あり。多数
    ヴェラスケス

    ○17世紀フランス絵画
    プーサン
    フィリップ・ド・シャンバーニュ

    ○18世紀フランス絵画(ロココ美術)
    グルーズ 小品がメインだが、相当数のコレクション。
    フラゴナール
    ヴァトー
    ナティエ

    ○19世紀フランス
    オーラス・ヴェルネ 多数。個人美術館並の集まり具合。
    ドラクロワ
    ドゥカン
    ドラロシュ 多数
    トマ・クチュール 多数
    J.L.ジェローム
    アリ・シェフェール 代表作、大作「フランチェスカ」がある。
    カミーユ・ロクプラン ラ・フォンテーヌの「恋するライオン」の主題の絵画がある。
    ローザ・ボヌール
    エルネスト・メソニエ 多数
    トロワイヨン
    コロー
    ディアズ

    ○イギリス絵画
    トマス・ローレンス
    R.ボニントン
    J.レノルズ
    ゲインズバラ

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