芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • フランスの風景 樹をめぐる物語 損保ジャ美術館


    風景画に焦点を当てた企画展は結構ありますが、本展は、そのなかでもとりわけ「樹木」をテーマとした展覧会であり、新奇さがあります。
    内容としては、バルビゾン派以降の近代フランス絵画がメインとなっていました。
    モチーフを絞っているだけに、絵画潮流ごとの描き方や色遣いや画面構成などの比較をより楽しみやすいものでした。有名画家の作品も数多くありますが、普段あまり目にしない画家の作品も多く、いろいろと発見も多い展覧会になると思います。


    □フランソワ=ルイ・フランセ
    フランソワ=ルイ・フランセは挿絵なども手掛けたとのことですが、水彩(インク)で描かれた2作品は、スマートな線描に、動的な水彩のタッチが対照的にマッチしており、雰囲気のある作品です。

    □ギュスターヴ・ドレ「嵐の後、スコットランドの急流」
    ドレのダイナミックな油彩画です。うっそうとした谷間に神々しく光がさしている光景です。ドレの挿絵の背景にも似たようなものがいくつもあると思いますが、ドレの頭の中にはこのような原風景がいくつもストックされていたのでしょう。海外でもこのような大きさの油彩を見たことがあります。

    □ポール・シニャック「エルブレーのセーヌ河」
    本展で一番印象に残った作品です。まず構図が良いです。一点透視でセーヌ河を描き、扇状に画面を切り取っていますが、それが橋桁などからまさに視界として風景を切り取ったような効果を生んでいます。点描でもきちんと大気遠近を用いて配色しています。また、色遣いも白の淡いトーンでまとめており気高い雰囲気を醸しています。

    □アンリ・マルタン「ポプラのある草地」
    点描など優しいタッチのイメージがありますが、この作品は力強く厚塗りのタッチでポプラの生命力を誇示しているようです。

    □エドガー・シャイーヌ「カンペルレの眺め、夜の効果」
    この画家のことは知らないのですが、パステルで独特な世界をつくっているように見受けました。夜の効果は良く分からないですが、画面中央のもっさりとした樹木が沈んで描かれ存在感を増されています。パステルのタッチも活かし、覆い茂る樹が獣のような妖しい気配をもっているようです。

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