芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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    モネ展 東京都美術館
    パリのマルモッタン・モネ美術館所蔵のモネ個展です。
    過去、本邦開催の「マルモッタン美術館展」、2007年新美開催の「大回顧展モネ」を中心とした回顧展に足を運んでおり、マルモッタン美術館にも訪問したことがあるので、今回もモネの膨大な作品の一部に触れる機会として楽しみでした。
    東京展を皮切りに残り3会場を巡回するようです。

    本展は、特別出展として非常にメモリアルな作品である「印象 日の出」が出展されることが話題になっていました。「印象 日の出」は、作品を周囲から切り取ってスポットライトを当てるような展示方法となっていましたが、このような作品のみが浮かび上がってくるような展示だと、まるで絵がフィルムに映されたような不自然な感じに見えてしまうのは自分だけなのでしょうか。なかなか近くでゆっくり見ることはできませんが、「印象 日の出」が貸し出され、日本で見ることができるというのも貴重です。

    マルモッタン美術館は、もちろんモネ以外の作品も常設展示しており(訪問した当時では印象派以外も結構ありました)、なおかつ、展示スペースも広大というわけではないので、普段常設していないモネの作品が相当数あったかと思います。
    特に、カリカチュアや、晩年の作品がこれほどまでに展示されている回顧展、企画展はここ十数年来ではなかったと思うので、この点では、今までのモネ展とは趣きを異にしています。
    個人的には、晩年の作品がこれほど充実しているのは驚きでした。人気の睡蓮連作とは違ってやや見づらい印象を持つ人が多いかと思いますが、身体は衰えても、絵に向かう態度は力強い、ということを感じられる、生命感のある絵です。
    これらの晩年の作品は、視力の衰えから、タッチが荒々しくなり、具体的な形象を拾えないほど「印象的」になっていきます。晩年の「日本の橋」「しだれ柳」等の連作が並べられていましたが、「日本の橋」等で多く用いられている彩度の高い強い赤は、その大ぶりなタッチと相まって強く迫ってくるものがあります。同時代作品の「しだれ柳」などの(従来と通ずる)色遣いと比較しても、特徴的な赤は、資力の衰えや色覚の異常に全て帰するものではないと考えますが、そうすると、最晩年の赤はどのような境地によるものなのかが疑問として残ります。それまで、夕焼けを直に描いたものなどで赤、オレンジ色を遣うことはあっても、これだけ画面全体に強い赤を配する作例はあったのでしょうか? 画集は買いませんでしたが、具体的な分析があれば知りたいところです。

    マルモッタン美術館のコレクションということで、モネと聞いて多くの人が思い浮かべる色彩の統一のとれた美しい睡蓮をはじめとして、代表作、秀作が集まった回顧展でした。
    また、モネを見なれた人も、そうではない人も、やはり最後の晩年の絵画を見せるセクションでは、どのようなものであれ心に留まるものがあるかと思います。
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