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  • ボストン美術館 ミレー展 三菱一号館美術館


    ボストン美術館のジャン・フランソワ・ミレーのコレクションを紹介する企画展です。
    ミレーというと、今年が生誕200年ということで、府中美で開催されたミレー展(「生誕200年」展)もあり、国内で見応えのある作品を見る絶好の年となっています。
    今展は予備知識なしで行って、ミレーの個展と思っていたのですが、バルビゾン派を中心に、ミレー周辺の画家の作品も同時に展示しています。全64点のうち約4割ほどがミレーの作品であり、結構な数の関連作品でもって展覧会が構成されていることになります。
    ボストン美術館のミレーコレクションについては、30年前に同様の企画展があったようで、そのときは素描等も含んでミレーの個展となっていた模様です。
    ミレーの注目度は高いのか、まだ会期は残っているのにも関わらず平日の昼間でも人の入りはよかったです。

    フォンテーヌブロー、バルビゾン村、家族主題、周辺画家への影響などテーマを分けて展示していました。
    ミレーについては、ボストンの3大ミレーといわれている「種をまく人」「羊飼いの娘」「刈入れ人たちの休息(ルツとボアズ)」という代表作が来ていることが話題となっています。主に農村の情景を描いた作品が多く、また関連作品も豊富であり、この点は府中美とは趣を異にしていました。「種をまく人」については府中美の方でもバージョン違いの展示がありましたが。
    周辺画家でいえば、コロー、テオドール・ルソー、ディアズ、トロワイヨン、ジュリアン・デュプレ、レオン=オーギュスタン・レルミット等、秀作ぞろいでミレーに劣ることなく見応えがあります。ディアズは、前に見て気に入っていた「祭に向かうボヘミアンたち」がありました。
    バルビゾン派は相互にかなり似通った技法、構成で描かれていますが、ジュリアン・デュプレ、レルミットら第2世代になると独自の解釈・受容がなされていることが分かり、例えば、ジュール・デュプレにおいては、質感表現、タッチによる描き分けがなされ、より写実主義が志向されています。バルビゾン派とその同時代の周辺画家では、あまりデッサンの精確性が重んじられず、画面も全体的に厚塗りがなされていたものと比べると対照的に映ります。

    ミレーやバルビゾン派周辺画家は、当時からアメリカでの受容、人気がありましたが、やはりボストン美のコレクションは量・質ともに一級であり、一見の価値がありました。
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