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  • チューリヒ美術館展 国立新美術館


    スイスのチューリヒ美術館の印象派以降の20世紀絵画コレクションを紹介する企画展です。
    チューリヒ美術館のコレクションをまとまった形で日本で展示する機会は、これが初ということで、モネの睡蓮大作など見どころのつまったものになっています。

    展示は、画家・流派ごとそれぞれ展示室1室を与えられており、細かく区切りをつけて見られるようになっていました。また、それぞれの展示量も多くないので、とても鑑賞のしやすい展覧会でした。さほど区切りなく、多量の作品を混雑の中で鑑賞するのも疲れる年になってしまいました。

    最初の展示室は、スイスにゆかりのあるセガンティーニのセクションとなっていました。「淫蕩な女たちの懲罰」「虚栄」の2作しかきていませんが、両方ともに晩年の完成度の高い象徴主義作品です。
    「懲罰」の方は、線描に加え、スクラッチを用いているのか、かなり細かな作業のなされた絵肌をしており、色調もそれに合わせて非常に繊細に統制されている印象を受けました。

    続く、モネのセクションでは「睡蓮」が迫力のある展覧会のハイライトとなる一枚になっています。
    この睡蓮は、配色や色調に目が向かう抽象絵画のような魅力をもっており、中央の黄色から緑、紫、赤に向かうトーンと、中央と周辺の明暗のコントラストが素晴らしいと思います。特に、大胆なコントラストについては、画面を締め、色彩を際立たせるのに必須であり、この睡蓮では精神性すら感じさせるまでに成功している点と思います。

    以降は、ホドラーやココシュカ、アルベルト・ジャコメッティら、スイスの画家、彫刻家の秀作が並べられていました。シャガールのコレクションは、良いものがそろっていると感じました。
    個人的には、アウグスト・ジャコメッティの作品が見られたのが良かったです。
    ウィーンのアルベルティーナ美術館の企画展で彼の作品を見てから気になっていました。今回は抽象画でしたが、塗り方、色遣いを見てすぐにピンときました。色彩構成や独特な筆遣いは異彩をはなっており、さらに作品を見たくさせます。

    東京展は間もなく終了し、神戸に巡回します。

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