芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • ターナー展 東京都美術館


    イギリスを代表する巨匠、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの回顧展です。
    ターナーの屈指のコレクションを持つテート美術館所蔵作品から構成されており、とても見ごたえがあり、充実した内容の展覧会になっています。

    ターナー関連の展覧会では、最近では、渋谷文化村で、英国水彩画展と銘打ってマンチェスター大学ウィットワース美術館の水彩画コレクションを紹介する企画展がありました。
    今回の個展では、水彩画はもちろん、迫力のある油彩大作が何作品も展示されており、水彩画展とはかなり趣の異なった印象を受けました。
    ターナーの作品は、最近までほとんどまとまって見る機会がなかったので、今展はターナーの画業の全体像を探るのにはとても良い機会でした。

    展覧会は、年代、画題ごとに細かく区切って構成されていました。
    まったく大雑把感や偏りがなく、非常に良く練られており、「大回顧展」というだけの豪華さ、充実ぶりでした。

    さまざまな場所の風景画を見ると、ヨーロッパ各地を周り、作品に仕上げていることが分かりますが、風景を単に見た通り、スケッチ通りに描くのではなく、構図をドラマティックに大胆に構成し、鑑賞者を絵に引き込んでいることに彼の技量が現われています。それは、臨場感であったり、自然への畏怖や感嘆を刺激し、観る者の印象に強く残るのです。
    さらに、ウィットワース美術館所蔵の水彩画展でも見ましたが、ターナーは色彩への探求心が強く、色彩のタッチや効果を飽くことなく追求していることが習作、完成作から伝わってきます。この一つの展覧会を通しても、幅広いヴァリエーションがあります。このような、光や大気の効果に執着し、それをさまざまに操るあたりは、モネの連作などを想起させます。
    大画面の中に、構図と色彩が見事に融合して、心情的に鑑賞者に強く訴えかけるターナーの技術は、非常に素晴らしく、まさに巨匠というにふさわしいと感じさせられました。

    展覧会は、作品数もありますが、迫力のあり、興味のひかれる作品が多いので、じっくりと鑑賞できる時間をとっていったほうが良いと思います。
    雨天&平日の比較的空いていると思われるところで行きましたが、15時から閉館までの2時間半では少し足りなかった感がありました(いつも休み休み鑑賞しているせいもあります)。
    東京展のあとは、来年1月から神戸に巡回します。
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