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    エミール・クラウスとベルギーの印象派 東京ステーションギャラリー


    ベルギーを代表する印象派画家、エミール・クラウスにスポットをあてた企画展です。
    クラウスの作品が、今展のように個展といえるほどに集まるのは初めてであり、とても貴重な鑑賞の機会でした。
    東京展の会期は以前に終了していますが、10月後半まで石川、愛知と巡回します。

    会場となる東京ステーションギャラリーには東京駅改修後、初めて行ったわけですが、エントランス、階段など趣きのあるつくりのギャラリーになっていました。
    ただ、展示スペースが狭いので、今回のような(集客があり、大作も展示される)企画展にはあまり向かないように感じました。人の入りが多くなると、結構不自由さ、ストレスを感じてしまいます。

    クラウスの作品は、大作も含め、秀作といえるものがいくつも展示されており見応え十分でした。
    クラウスは印象派、また光の表現に重きをおいた画家としてルミニスムの画家として分類されますが、作品を眺めて分かる通り、フランスの本家印象派とは一線を画しています。
    戸外の光の表現を追求する点は同じくしても、特に輪郭線が背景に溶け込んだり、筆触が荒々しくなることはありません。
    細やかなタッチを丁寧に重ね、光のもとでの対象を表情豊かに捉えており、特に風景画では抒情的で精神性を感じさせる作品が多いように感じました。
    「そり遊びをする子供たち」や黄昏時を描いた作品など、光の表現のヴァリエーションには目を見張るものがあります。
    加えて、画面構成も非常に練られていることも明白で、遠近構成や対象の配置はもちろん、パースペクティヴや光源の位置も非常に工夫されており、マンネリを感じさせないのもすごい。
    クラウスの写実性のある表現についていえば、図録論文では、初期段階ではサロンでの成功を目指していたことや、バスティアン・ルパージュから影響を受けていたことが指摘されています。さらにベルギーの印象主義が、フランスとは異なり、独自の受容や解釈を受けていたことも解説されています。

    クラウスのセクションに対しては、同時代のベルギー、続いてフランスの印象主義、新印象主義(点描)の画家のセクションが比較対照されています。ラストには、それらの日本での受容という観点で、児島寅次朗らの作品が紹介されています。

    全体を通して、非常に内容のある有意義な企画展でした。ベルギーでは、フランス美術の影響を受け、印象主義、新印象主義、象徴主義、表現主義などいくつもの絵画潮流が発達したので、これからも日本への紹介の機会が増えるといいと思います。

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