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  • 【プラハ】プラハ国立美術館 ヴェレトルジュニー宮殿


    Veletržní palác
    Veletržní palace

    プラハ国立美術館を構成する施設はプラハ市内にいくつもあり、ヴェレトルジュニー宮殿はその中の一つで近現代の芸術を展示する美術館となっています。
    (パレスを訳して)宮殿と名がついていますが、ピクチュアの通り歴史的な装飾的建築物などではなく、コンクリート造りで中が吹き抜けの近代的なつくりをしています。
    公式を少し参照すると、建物は戦前に建設され、当初は貿易関連の施設として使用されており、美術館として整備されたのは1995年と最近のようです。

    建物は7階あり、1階の大ギャラリーが訪問時、ミュシャのスラヴ叙事詩展会場となっており、1、3~7階部分が常設+企画展示をしていて、2階部分は展示がありませんでした。
    展示分野は、19世紀から現代までの美術作品であり、絵画、彫刻、工芸など多岐に渡りますが、現代芸術を含んでいるのでより一層、幅の広さを見せています。
    チェコ国内のアーティストはもちろん、ヨーロッパを中心に各国の芸術家の作品を収蔵・公開しています。特に、19、20世紀フランス絵画のコレクションは充実しており、これだけ目的のために行っても満足することができると思います。
    現代芸術に関しては、展示の半分を占めており、量・質ともに見応えは十分すぎるほどです。面白く、あっといわされる作品が多く、工夫された展示方法/空間も含めて見ていて飽きなかったです。

    訪問してみて、なぜこれほどまでの美術館がきちんと紹介されていないのか不思議に思います。
    美術館としては相当の規模の大きさであり、展示量・床面積でいえばオルセーに匹敵するといっても過言ではないと感じました。現代アート部門や工芸部門などもきちんと見て回れば、とても半日では足りません。
    また、規模だけではなく、チェコの近代絵画や一連のフランス絵画コレクションという、重要かつ質の高い収蔵品を公開しているという点も見逃せません。
    チェコにおいて近現代芸術に触れるには最上の美術館の一つであると思います。
    以下、チェコとフランスの近代絵画セクションに絞って、収蔵作品のメモを載せます。

    チェコ絵画
    最上階に展示されています。
    いかんせん、情報が少なく名前の読みさえ不明なのもあります。あとで補完・補遺できたらと思います。
    ・ヨゼフ・マーネス(Josef Mánes)
    ・(Vojtěch Hynais) :古典主義、ヴィクトリア朝絵画趣向が見えました。
    ・シカネデル(Jakub Schikaneder) :抒情的、幻想的な明暗の表現。
    ・アルフォンス・ミュシャ :意外にというべきか展示数は少なかった。
    ・Karel Vítězslav Mašek
    ・Beneš Knüpfer
    ・František Kaván :風景画が複数。
    ・Hlavaček :風景画を得意とする画家のようです。水、川などの表現が特徴的です。
    ・Antonín Hudeček
    ・フランティセック・クプカ František Kupka :有名な抽象画家で、調べると日本でも個展をやったことがあるよう。ウィーンの美術館などでも作品を見ました。色彩を立体構造的に組み合わせたような抽象画が多くありました。

    フランス絵画
    ほとんどのビッグネームは押さえていることに驚きます。小品が多い感は否めませんが、それでもピカソなど特定の画家に絞るとかなりのクオリティを誇るコレクションになっていました。
    鑑賞できた主な画家を箇条書きでまとめます。
    ・ドラクロワ
    ・バルビゾン派(ドゥカン、ドービニー、ルソー、コロー、ディアズ)
    ・クールベ
    ・ドーミエ
    ・マネ
    ・印象派周辺(ピサロ、シスレー、マネ、ドガ、ルノワール)
    ルノワールは、恋人を描いた1875年の初期作品を展示。
    ・シャヴァンヌ
    ・ゴーガン
    ・マティス
    ・カリエール
    ・エコールドパリ周辺(ロートレック、ユトリロ、ヴァラドン、シャガール、ローランサン)
    ・キュビズム(ピカソ、ブラック)
    ピカソは独立の展示室があり、まとまった数が鑑賞できます。

    その他
    20-21世紀のインターナショナル絵画セクションがあり、ヨーロッパ各地の画家を集めた展示室がありましたが、知見の浅さゆえに良く分からず。1階には、ココシュカ、クリムト、ムンクがありました。


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    コメント
    この記事へのコメント
    はじめまして 検索でたどり着きました。私がここを訪れたのはもう10年くらい前なのですが、やはりチェコ(というか当時はオーストリア)の絵画の充実ぶりに驚かされました。なにぶんほとんど情報がないもので10年かけてこつこつ資料集めをやっております。もしまだ興味をお持ちなら昨年出たこれが図版も多く英訳でオススメです!!アマゾンはしょっちゅう値段が変わるので2000円くらいになることもあります。 http://www.amazon.co.jp/Czech-Modern-Painters-Petr-Wittlich/dp/8024620723/ref=sr_1_4?s=english-books&ie=UTF8&qid=1408288075&sr=1-4&keywords=wittlich
    2014/08/18(月) 00:11:04 | URL | さしだ #hfCY9RgE[ 編集]
    コメント有難うございます。
    プラハ、ハンガリーの美術館の規模の大きさ、コレクションの充実ぶり、そして現地の画家のクオリティは特筆すべきものがあります。しかしながら、その紹介は進んではおらず、私も旅中は結構手探りな感じでした。
    専門書でもブログでももっとフォローされればいいなと思っています。
    資料のご紹介も有難うございました。意外にも現地でもあまり美術書っていうのはそこまで充実していないものですね(モスクワ、パリ、ウィーンなどで専門書店等にも行きましたが、有名な画家でも本国でさえも画集は少なかったりしますね。)
    2014/08/20(水) 00:39:31 | URL | webcat #-[ 編集]
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