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    巨匠たちの英国水彩画展 Bunkamura


    マンチェスター大学ウィットワース美術館所蔵の水彩画を紹介し、イギリスの水彩画の伝統、系譜を提示する展覧会です。
    ウィットワース美術館の成り立ち、英国の水彩画の位置付けなどはカタログ小論に詳しいですが、水彩画は絵画のジャンルとしては低く見られており、水彩画家による協会の設立などを通して英国において独自の発達を遂げたということです。私的な習作としてあった水彩画は、ターナーの水彩画を頂点とする黄金期を経て一つの絵画ジャンルとして確立し、ラファエル前派らにも受け継がれていきます。

    展覧会は英国の水彩画の歴史、画題に対応しており、18世紀の貴族階級のグランド・ツアーへの応答、ターナー、ヴィクトリア朝時代の水彩画などのセクションに分かれています。
    小品も含まれているとはいえ、150点を超える作品が集められており、ヴォリューム感、見応え十分な内容になっています。ある程度見どころをピックアップしていかないと疲れてしまうような印象で、壁が額で埋まっている感がありました。

    18世紀の風景画は、ある程度様式化した構図、制作過程があることが見てとれます。鉛筆やインクなどで線が引かれ、色数を絞った水彩で描かれており、細部の表現、大気遠近表現などに優れた作品が多いです。初期ターナーも、後期作品の自由度とは違って、このような厳格で緻密な水彩画を残していますね。
    マイケル・アンジェロ・ルーカー、トマス・ガーティン(上図)、フランシス・ニコルソン、などデッサンと水彩が非常にマッチした気品ある作品が集まっています。

    ターナーのセクションでは、初期作品とは趣が異なり、幻想的、印象的な中後期作品が並びます。色彩の変化があり、とても自由に水彩のタッチが運ばれています。動態的で、感情に訴えかけてくるものが感じられます。

    ラファエル前派、ヴィクトリア朝時代の水彩画は、それまでの様式化されたものからの変化が見てとれ、画題、色彩、塗りなど画家の関心がより表されている印象を受けます。これら19世紀半ば以降の作品では、水彩が建物や自然の陰影表現の枠から出て、ひとつの選択しうる画材として存在感を得ています。
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