芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • チェーホフの戯曲
    戯曲ということで、若干敬遠していた感もあったが、四大戯曲『かもめ』、『桜の園』、『ワーニャ伯父さん』、『三人姉妹』を読んだ。
    どれも家族関係を基軸とした場面設定がなされていて、いろいろな感情のやり取りが交錯し、無造作に何ともいえない混乱、対立、停滞、悲哀、悲劇…が転がっている。
    さらに、果されない、実現しそうもない、はかない期待や希望が物語全体の基調を彩っている。
    『かもめ』を除いた三作は或る程度共通したメッセージ、構造が読み取れる。

    チェーホフは小説では突き放した結末で現実のやりきれなさをありのまま提示するようなことも多いが、『ワーニャ伯父さん』、『三人姉妹』では、悲劇的結末の中にも、新たに生まれる意志やかすかな希望を残しているのが印象的に感じた。
    確かに、どんな状況に陥っても、何かしらの選択や環境は残されているわけで、その中で甘んじながらも生き抜いていかなければならない、というもっとも考えられる現実の表現にもなっていると思う。
    『ワーニャ伯父さん』は、読み返してみてもいい。
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