芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • ドビュッシー、音楽と美術 ブリヂストン美術館


    オルセー、オランジュリ美術館の共同企画の、クロード・ドビュッシー生誕150周年を記念しての展覧会です。ブリヂストン美術館はオランジュリ美術館にて開催された同名展の日本会場となっています。
    ブリヂストン美術館に赴くのは相当に久しぶりでした。これからも数年に一度はこういった企画展が開かれればいいなと思います。

    作曲家の展覧会ということで、それだけではあまり面白そうではないと感じるわけですが、ドビュッシーに関してはそれが全く当てはまりません。
    日本展の副題が「印象派と象徴派のあいだで」となっているように、ドビュッシーはラヴェルなどとともに19世紀の印象主義の流れに位置づけられているし、印象主義、象徴主義の画家、文学者などとも直接の交流を持って影響を受けた音楽家です。また、こういった幅の広い交流と彼の音楽をもって、単に印象主義とカテゴライズするのではなく、もっと多義的な解釈をしようとする試みを一つの主題とした展覧会になっていることも重要です。

    展覧会の意図しているところから、ドビュッシーの博物館的な展示に終わることなく、多くの切り口をもった章を連ねて、鑑賞者に包括的、多面的なドビュッシー像、あるいは19世紀フランスの美術/音楽のつながりを展示しています。
    大作や有名作がずらりと並べられているわけではないので、取っつき易さや分かりやすい見どころがあるとはいえませんが、音楽・文学・美術・工芸などの相互の結びつき、インスピレーションの与え合い、そして芸術家同士の交流・サークルといった面は、こうした総合的な企画展ではないと味わえない、ユニークな見どころであると強く感じます。さらに、ジャポニスムとフランス美術・音楽との繋がりも同様に着目すべき点です。通底する精神性、感性は、やはり日本人だからくみ取れる部分が大きいはずです。

    ブリヂストン美術館のコレクションの存在感も効いているのも日本展の特色なのかと思います。重ねていいますが、展示の幅がとても広い企画展なので、19世紀末のフランスの文化を俯瞰するものとして、面白く、深みのある展覧会になっていたと思います。
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