芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
  • calendrier
  • 映画 るろうに剣心
    映画版の「るろうに剣心」を見てきたので、さらっと感想を残しておきます。
    以下、内容にも若干触れています。

    ++

    おおかたのレビューにある通り、アクションはとても見応えのある仕上がりになっていると思いました。「一対多数の切り合い」の場面が陳腐化することなく、「飛天御剣流」を映像化することは成功していたと思います。
    さらに、鳥羽伏見の戦場、神谷道場、観柳邸の舞台表現などもリアリティがありました。

    個人的に難点と感じたのが、内容の詰め込み過ぎ、そこからくる流れの説得力・了解感の弱さ、です。
    確かに、主要登場人物を網羅した方がるろ剣という気がするし、受けがいいとは思うのですが、総花的にキャラを散りばめて、小出しのエピソードを積載オーバーするのは、映画という媒体を考えると良かったのか?
    あくまで個人的な感想ですが、左之や弥彦の中途半端感、斎藤一の凡人感、刃衛と観柳の関係性の薄さ、観柳の取り巻きの不自然さ(エンディングロールでやっと理由が分かる)などなど、粗が目立つのが否めません。例えば、メインキャラの薫にしても、白昼にあんなに軽く、木刀で剣心に切りかかってくるのは不自然だし、ラストのセリフにしても原作からいいように抜粋した感がぬぐえない(あのセリフが原作で活きているのは、京都編を経たからですし)。
    主人公・剣心の不殺の誓い、贖罪というテーマ(「剣心」として戦う理由)をもっと心理描写も含めて見せて、統一的な流れをつくって欲しかったかなとは思います。加えて、恵と刃衛が物語進行に強く関わるキャラとなるならば、もっとこの二人についても心理・背景描写を増やすべきだったと思います。刃衛はもっと格好良く、存在感あるキャラにできたはずなのに、結局、原作における、幕末からの因縁、刃衛がいう人斬りの宿命、黒笠事件の持つ闇などはあらかた捨象されてしまい、不平士族崩れになってしまっています。惠にしても、原作での罪の罰の意識、葛藤、剣心との出会いによる再出発、を多少なりとも描いていれば良かった。


    この映画化が発表された時は、正直、そこそこのものとしてまとまっていて、黒歴史にならなければいいな、くらいにしか思っていませんでしたが、予想を上回るヒットにびっくりです。
    これを機に、るろ剣ルネサンスが着実なものになれば、一ファンとしてはうれしいですね。

    興行成績、世界での公開など実績・評価を上げており、まだまだストーリーの広げようは十分なので、次回作があるのではと予想・期待しています。

    スポンサーサイト
    コメント
    この記事へのコメント
    コメントを投稿する
    URL:
    Comment:
    Pass:
    秘密: 管理者にだけ表示を許可する
     
    トラックバック
    この記事のトラックバックURL
    この記事へのトラックバック