芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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    ルドゥーテ『美花選』展 Bunkamura


    「バラの画家」として知られる、ピエール=ジョゼフ・ルドゥテの展覧会です。
    震災の影響ということで、水彩の肉筆画から、『美花選』を中心とした版画作品に内容が変更となっての開催です。海外からの出品作品がキャンセルのなったのかと思いますが、それでも国内の版画コレクションが集まっており、ルドゥテ作品をほとんど生で見たことがない身にとっては見ごたえがある展覧会でした。

    ルドゥテの花の描写そのものの素晴らしさは一目瞭然ですが、実物を見て分かることは、点刻彫版法(スティップル・エングレーヴィング)という技法が版画作品に大きく寄与しているということです。点刻彫版法は、その名のとおり線描(スクラッチ)ではなく、無数の点で構成する技法で、これだけでもかなり大変みたいですが、ルドゥテはさらに印刷に手彩色を施す、という相当手の込んだ仕事をして仕上げています(これについては分かりやすい展示があります)。これによって、線描の持つ硬さ(これは参考出品されている『バンクス花譜集』と比較できます)から脱し、花や葉の柔らかさ、みずみずしさなどの質量感が絶妙に再現されています。現代で見ても、ある種の古さや陳腐さをまったく感じさせないのです。
    加えて、多くの展示作品を見渡すと、植物学的な精確さを失わずに、花の図像を美術的に魅せる、ということにもルドゥテが気を遣っていることが分かります。花を綺麗に見せるための構成、単調にならないような配置・アクセントなどを、花の置き方、葉の描き込み、・省略、蝶やつぼみの配置など工夫して行っています。それぞれが同じようなものの集合として埋没することなく、これだけ数を集めても鑑賞できる、というのはこういうところの技術に負っていると感じさせます。

    Bunkamuraではルドゥテの展覧会は3回目だそうです。
    以前あったものはそういえば行かなかった…
    今回も数点、ヴェラム(羊皮紙)に描かれた水彩画も展示されてましたが、またの機会にそういった作品も見ていきたいですね。
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