芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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    『絵筆をとったレディ』アメリア・アレナス


    『絵筆をとったレディ ―女流画家の500年―』
    アメリア・アレナス 著
    木下哲夫 訳
    淡交社、2008年

    書名のとおり、女流画家にスポットをあて、その位置づけや価値を(再)評価しようとする、まさにハンドブックのような本です。最初は、女流画家について美術史・社会史的に扱ったテクストなのかと思っていましたが、そんなに難しいものではなく、カラ―絵と短い文章をさらっと読みつないでいける本になっています。
    まさに冒頭でも「本書は、「女性による美術の歴史」を正面切って論ずるものではな」く、女性の画家の作品を、「そのものの本来の姿、つまり見るに値する絵画として見るようにする」ための「招待状」であると、作者が述べているところです。

    ルネサンス期からロココ、印象派を代表とする近代絵画へといたる美術史のなかで、名前と作品の知られる、30人弱もの女性画家が取り上げられ、簡潔で的確なディスクリプション、作品・背景の解説が付されていきます。一つの作品につき、文章は2~4ページほどなので、少々物足りなく感じるときもありますが、作者が章の流れのなかで、上手く作品を選び、比較し論じており、それぞれの作者・作品解説は独立して読めるものの、それらが一連の文脈をもった文章として通読できるのも素晴らしいところだと思います。こういうところは、いわゆるソムリエ的な作者のセンスや力量が感じられます。
    個人的にも、女性画家についてはそれほどの知識もなかったところなので、こういった手に取りやすく、分かりやすい解説書は願ったりでしたし、最近のいくつかの展覧会で本書に登場する画家の作品を何点も鑑賞できていた、ということも理解する上で大きかったと思いました。

    作者のいうように、女性画家の絵のそのものの魅力にいざなう招待状として本書は格好の入門書だと思います。巻末にはきちんと作者のプロフィールや年表も載っています。

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