芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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    ミュシャ展 高崎市美術館 高崎市タワー美術館


    アルフォンス・ミュシャの生誕150年を記念しての大回顧展が2010年4月から始まっています。岩手、三鷹、北九州と続き、高崎は4会場目になります。
    展示作品は、祖国のチェコの各美術館、フランスのオルセーやカルナヴァレ美術館、そして日本で有数のコレクションを持つ堺市から来ています。堺市の良質の収蔵品は収集家の土居君雄氏のコレクションを引き継いでいるとのことで、堺市文化館にミュシャ館なるものがあるという事実も初めて知りました。

    高崎の会場は、上記の2会場にわたるものとなっていて、このような展覧会も初だったと思います。駅をはさんで両側に美術館があるので移動などに不便はありますが、これが高崎クオリティということでいいんじゃないかなと。
    さらに、タワー美術館も初めて入ったんですが、ちょっと展示環境はいまいちかなと思いました。個展などには向いているのかと思いますが、無機的でこまごまとしたつくりがこういうそこそこの巡回展にはマッチしないです。

    個人的な注目点は、どれだけミュシャの油彩・テンペラ類の「肉筆画」が見られるか、ってことだったのですが、下絵なども含めてかなりの数を見ることができて満足でした。
    前のミュシャ展のときも同じ感想を持ちましたが、完成作の裏にある、デッサンが半端なく卓越しているということです。『装飾資料集』や壁画の下絵、その他デッサンなどが展示されていましたが、的確な描き込みと陰影・質感の表現ができていて、ポスターにはない魅力が十分に感じられます。下絵の墨の線も上手いです。
    油彩類は、あまりタッチを重ねたり、明暗を強調するようなものではなく、いってみればライトな部類になると思いますが、トーンの作り方が非常に洗練されていて、幻惑的な雰囲気を持ち合わせています。ミュシャの絵は、普通の太陽光を光源としたようなものはあまりなく、画中の光が大変につかみにくく、ヴァリエーションのあるものになっていて、その空間での人物表現が美しい、と感じます。この辺は、ポスターやパステル画の関係性でも論じられるべきだと思います。ウミロフ・ミラー、ハーモニー、自力、クオ・ヴァディス、などを見比べると、どのトーンでも上手くこなしていることが分かります。

    カタログを見ると、高崎では展示されていなかったものが多数収録されています。会場ごとの展示コンテンツを知る表などはありまんが、会場ごとで適度に展示替えをしていて、やはり堺市の会場がメインとなるんでしょうか。
    印刷のレヴェルはちょっと物足りないです。色のヴァリエーションが複雑なので、紙面に忠実に再現するのは無理なのかと思いますが、全体的に色調が違う印刷などが散見されます(「自力」など)。
    それと、装飾資料集・人物集が売ってましたが、値段にひよってしまいました… いつか手に入れたいものです。
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