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  • クールベ美術館展 A la Rencontre de Courbet 三鷹市美術ギャラリー
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    フランスのレアリスム(写実主義)の画家、ギュスターヴ・クールベ(1819‐77)の展覧会。今回の展覧会は、クールベの出身地である、オルナンにあるクールベ美術館から作品がきています。まったく、オルナン(フランス北東部のスイス国境沿い)にある作品が三鷹で見られるとは。

    簡単にクールベを紹介すると、当時のアカデミックな絵画に対抗して、積極的に、田舎の風景だとか、人物、動物、また波などのテーマを取り上げ、それを現実に忠実に描くというレアリスムを確立した画家で、後のマネや印象派にも大きな影響を与えました。またこの人、政治的な信条も持った人で、パリ・コミューンに参加し、後、逮捕、禁固、罰金を科され、亡命もしています。さらに、サロンに自分の作品が拒否されると、パリ万博のときに、自費で、個展を開いてもいます。

    展覧会の構成は、クールベの油彩、ペーパーワーク、関連資料に加え、その周辺画家の作品の展示となっています。今回のクールベの作品は、風景画が多数です。あまり、人物や動物画がないのは残念ですが、それでも見ごたえある作品ばかりです。
    一度にこんなに見られる機会は、村内美術館にいくか、山梨県立美術館に行くかしないとないでしょう。展示に関して言えば、かなり、床に引かれてる白線を越えて見ることを警戒してますね。白線を踏んだだけで注意されました。まったく、村内美術館を見習ってほしいです。Bunkamuraでさえ、白線はあってないようなものだったけど。

    作品を見ると、やはりクールベはそのものも質感を油絵の具で捉えるのが大変うまいですね。人物なら、顔は古典的につやっぽく描いていて、服はゆったりとした布の質感が押さえられているし、風景画なら、ごつごつした石の感じや空、水の様子が、写真みたいにではなく、それ自体の様子が分かるような描き方で表現されています。特に、リーフレットに載っている、「シヨン城」(上図)は評価通り良いです。

    この展覧会で新しく知ったのは、クールベは、近くの画家仲間をアトリエに入れて、彼らに仕上げ前まで描かせ、主に最後にクールベが完成させるという共同作業を行っていたということ。クールベがこのような一種の工房的な作品を作っていたのは驚きでした。さらに、この共同制作者たちの絵も展示されており、クールベとの比較ができます。

    最後に一言。図録が小さく、絵の細部が分かりにくいのが惜しい。もっと払っても良かったから、絵が大きく載った図録を作ってほしかった。
    展示自体は人が少なく、ゆっくり見れます。ゴッホ展との差が激しいですね。個人的には、クールベの方が、絵画史的に重要であると思いますが。この展覧会、三鷹を皮切りに、新潟、愛知、京都、北海道etc.と各地をまわります。これでクールベの重要性が再認識されるといいですが。
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    三鷹市美術ギャラリーで開催中の「クールベ美術館展ー故郷オルナンのクールベー」に行って来ました。三鷹の駅に降りるのは多分初めてだと思います。改札を出ると「三鷹の森ジブリ美術館」の案内板があちこちにありました。そうか、ここにあるんだ、ジブリ・・・三鷹の森・・
    2005/05/16(月) 17:40:10 | 弐代目・青い日記帳