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  • クレイグ・ライス 弁護士マローンシリーズ


    クレイグ・ライスは戦前のアメリカの女流推理小説家。
    マネージャー、ジャーナリストの経歴を持ってたり、ゴーストライターをやっていたんじゃないかという逸話があったり、かなりの酒豪だったりと異色の作家ですね。そして、ライスの代表作が、弁護士ジョン・ジョセフ・マローンがシカゴで活躍する、マローンシリーズです。アメリカよりも日本で人気があるのも面白いところです。

    なんたって、このマローンシリーズは推理小説っていうかコメディです。ハチャメチャが許されるっていう。そして舞台も、都会の喧騒や華々しさ、そして闇が渦巻くシカゴ。
    一応の主人公、弁護士マローンは飲んだくれのアウトロー弁護士。机には酒が入っていて、ギャングともつながってるのだ。
    そして彼の友人の、ジェイク・ジャスタスとヘレン。ジェイクは新聞記者で、ヘレンは美人令嬢。ジェイクは一番まともですが、ヘレンは根っからのお転婆で、車の運転は一級。暴走しています。やがてクラスの違いを超えて彼らは結婚します。

    そして三人をとりまく事件が起こり、ジャスタス夫妻がより事件をかき回し、それを収拾するためにマローンは奔走。本当に痛快で、多分、こんな小説はライス以外では読めないでしょう。この魅力的な三人以外にも、オモシロ警官、ギャング、バーテンなどが次々に登場します。
    とにかく、ライス自身が酒好きだから(このため早くに亡くなりますが)、作中でも各キャラが酒を飲むシーンが多く書かれます。マローンは特にライウイスキー、それとジン・アンド・トニック。この影響で、僕はジントニックを飲み続けていると次第。

    本格推理のようなお堅いのは抜きで楽しめる小説だと思います。本当にキャラクターの魅力と、ドタバタにつきます。マローンは弁護士だけど、一回も法廷シーンは出てこなく、やってることといえば、イレギュラーな裏取引だし。

    新訳も出てきたのは喜ばしいことですが、まだ文庫に収録されていない短編が多くあるので、出版社にはそれらを短編集の形で出版していただくことを望みます。
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