芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • 日本の美術館名品展 東京都美術館


    日本全国の美術館のとっておきの名品を集めた、豪華な展覧会です。
    またもや書くのが遅れてしまって、ライブ感ゼロなレヴューになりますが、簡単に流れ(とはいっても西洋絵画のところメイン)をなぞってみたいと思います。

    展覧会は、西洋絵画・日本の絵画という風に大分されており、後者は、日本画・洋画・版画・工芸というようにセクション付けされていました。

    ○西洋絵画
    ドーミエのドンキホーテに取材した小品から始まりますが、この作品は、2者のシルエットを上手く捉え、落ち着き払って気品ある画面に仕上げられています。
    郡山美術館のバーン=ジョーンズの「フローラ」は、綿密につくられた秀作です。一見して、衣服や、草花など相当な作りこみですね。草などは一枚一枚盛り上げて表現されています。
     点・線描の特徴的な作品が髣髴されるセガンティーニですが、ふくやま美術館の「婦人像」は初期のクラシカルな手法で描かれた珍しい?絵です。こういうのが見られるのが本展覧会のいい所ですね。老女の表情の表現に重きがいっており、周りはややぼかし気味に描かれています。セガンティーニの20代の作品ですが、彼の力量を存分に伝える絵です。
     ピサロは、彼の主要な制作場所であったエラニーでの絵が2点きています。埼玉県立近代美術館の「エラニーの牛を追う娘」は綿密にタッチが重ねられた作品であり、全体をつつむ柔らかい光の表現に長けています。
     ボナールの「アンドレ・ボナール嬢」は、プッシュされている作品だけに、西洋画セクションの中でも存在感あります。ボナールの作品を体系的に知らず、機会機会に見てきたものとすると、ボナールの絵は構図がすっきりせず、ごちゃってるイメージと、色彩的に落ち着かないイメージがありますが、この作品は構図・色彩ともにまとまった作品です。かなり縦長な画面ですが、スカートの流れや背景、そしてイヌが手伝って、動きと広がりを保持した作品になってます。パッチワーク的な背景も装飾的に成功しています。

    ○その他
    アンディ・ウォーホールの作品を初めて現物で見ましたね。大胆な作品で、いろいろとアクセントの効いた作品です。

    日本の画家では、浅井忠、小磯良平、小茂田青樹、横山大観、横山操あたりが気になりました。
    初期の油絵では荒削りな作品が目立つ中、小磯良平の作品(「着物の女」)は描き慣れているというか、油彩の表現性を熟知している感じに見受けました。迷いなく筆をおいて、スマートにものを表現しているな、と思いました。
    横山操の作品にはいつも驚かされますが、「朔原」も金・銀・黒・赤が織り成す強烈な作品です。
    竹内栖鳳「絵になる最初」は前期展示で見ることができず。「散華」は、天女の人体デッサンがあまり整っていません。天井画の下絵という位置づけの作品のようですが、栖鳳の作品としては不思議な一枚だと思いました。
    彫刻では、橋本平八のネコの銅像はネコを解剖学的に相当研究した作品で感心しました。立派な肉付きのネコが表現されています。
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