芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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    コロー展 国立西洋美術館


    ルーヴル美術館の企画協力を得ての、コローの回顧展です。
    ルーヴルを筆頭に、国内外のコレクションが集まっており、豪華な展覧会になっています。
    確かに、ルーヴルのコローのコレクションは充実しており、常設で見られるものに加え、その他の作品も見られるということでクオリティは十分です。
    コローやバルビゾン派の作品の展覧会、美術館は度々訪れてきましたが、コローオンリーの展覧会で、これだけ作品が集まっているものは初めてで、圧倒されました。

    構成は、初期作品からコローの画業を振り返るものになっており、中・後期のコローの少ない人物画や、銀灰色と表現される、もやのかかったような風景画を扱うセクションにたどりつきます。
    後期作品にいたる道筋をめぐるように見られ、コローの、細やかに、そして平べったく描かれた初・中期の風景画が、いわゆる「コローの風景画」とされる銀灰の、観念的な(スヴニールとしての)風景画へとどのように変わっていったのかを焦点とすることができると思います。
    1850年から60年にかけて描かれた風景画のいくつかは、転換点のものとして見られるような、双方の特徴を認めることができます。例えば、「ヴィル=ダヴレー、白樺のある池(1855-1860)」や「マリセルの柳(1857)」は、細やかな写実性を基調にしながらも、画面に溶け込むようなタッチと色彩によって、効果的に画面にメリハリが与えられています。
    後期の作品群では、このようなタッチが占める面積が大きくなり、木々の灰色、そして後景の灰色が、微妙な色遣いによって表現され、画面全体を巻き込んで統一を生んでいます。「モルトフォンテーヌの想い出(1864)」(上図)は美しく、前景と後景がかみ合っているし、「ボメロ島の浴女たち(vers.1872)」はやさしい光につつまれた、印象的な作品になっています。また、色彩やタッチ以外でも、コローの風景画では、木々をどのような向きで、どのくらいのまとまりで配置するかという、画面構成が見所となります。数本の細い樹木で、決めてしまうこともすれば、「ヴィル=ダヴレーの想い出、森にて(1872)」のように全体を木の葉が覆い、ダイナミックに画面を包み込むこともしています。

    さらに、この展覧会では、前述したように、コローの人物画にも注目できるようになっています。コローの人物画を見る機会は少ないので、これだけまとまって、習作もふくめて見られたのは良かったです。個人的には、初期に描かれた、親族、友人の肖像画が印象に残りました。親しい間柄の人をモデルにしているだけあって、とても丁寧に、顔の特徴を捉えるように描かれているのが伝わってきます。

    コローの風景画と人物画をあわせて、しかも、小品から大作までを一望できる展覧会ということで、非常に良いものでした。
    同時代の画家や、印象派をはじめとする次世代の画家(このブログでも取り上げた、ルドンやモリゾも)など多くの画家に影響を与えたコローは、現代の眼からしてもとても魅力的です。
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