芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
  • calendrier
  • ルノワール+ルノワール展 Bunkamura ザ・ミュージアム


    印象派の画家、ピエール=オーギュスト・ルノワールと、その子の映画監督、ジャン・ルノワールに焦点を当てたユニークな展覧会。
    オルセーの特別協力あっての展覧会とあって、オルセーにある代表作が貸し出されています。もちろん、オルセーでも常設していない作品や、その他の美術館からの作品も多くあるので、見慣れた作品だけのルノワール展にはなっていません。
    盛んにプロモーションしていましたが、混雑はしていなく、ゆっくり見られました。作品数もほどほどだったと思います。主に有名作品以外で気になったものを以下に取り上げます。

    「小川のそばのニンフ」(上図)は、初期の作品。横長の画面に、横たわるニンフの全体像を描いた作品で、黒と白が対比されていますが、肌には緑が使われており、色調もまとめられています。肌の塗りは勢いがある感じですが、背景は初期作品らしく、けっこう筆が入っています。ニンフの視線を観者にあわせるなど、官能性も読み取れます。

    「闘牛士姿のアンブロワーズ・ヴォラール」。ヴォラールはルノワールと親交のあった画商です。晩年の作品ですが、良くまとまった作品だと思います。足の表現は少し気になりますが。モデルの雰囲気をかもし出す、重厚感ある作品だと感じました。

    「陽光の中の裸婦」(下図)は、印象派展で物議をかもした有名作です。副題に試作(Étude)とあるように、背景などは、荒いタッチを数回重ねただけですが、木漏れ日の中の裸婦の表現は何度見てもすごいです。ルノワールの中でも傑作の中の傑作という感はあります。ジャンの映画作品もリファーされていますが、絵画表現との差は歴然です。

    「白い首飾りをつけた女性」は、しかっりと描かれた女性の肖像画で、1880年の作品です。写実性があり、人物が生き生きと表現されており、80年代の作品のクオリティの高さを示すような作品だと思いました。


    ジャンは、妻そして、映画づくりのためにせっせと父親の作品を売ったわけですが、金と地位を得た後年、父親の絵を買い戻すために奔走し、一度は切れた父とのつながりを求めていったというのも、少しジーンときてしまいますね。
    ジャンが書いた父ルノワールの伝記も読んでみたくなりました。




    スポンサーサイト
    コメント
    この記事へのコメント
    コメントを投稿する
    URL:
    Comment:
    Pass:
    秘密: 管理者にだけ表示を許可する
     
    トラックバック
    この記事のトラックバックURL
    この記事へのトラックバック