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  • ウルビーノのヴィーナス 国立西洋美術館


    フィレンツェのウフィツィ美術館所蔵の、ティツィアーノ作、ウルビーノのヴィーナスをメインとした展覧会です。ティツィアーノのヴィーナスは、プラド美術館展での「ヴィーナスとオルガン奏者」以来ですね。

    ティツィアーノのヴィーナスをメインとするだけあって、ヴィーナス(ウェヌス)を扱った作品が全体に展示されています。ウェヌスとクピド、パリスの審判、ウェヌスとアドニスなど、ウェヌスを主題とした関連作品が並んでいます。絵画作品以外にも壺などの工芸作品もありました。
    作品数もほどほどなので、さらっと見られる展覧会だったと思います。余裕があったので、常設まで見てきました。やはりこっちもクオリティ高いです(定期的に見てますが、やはり、ナティエとヴァン・ダイクですね)。

    さて、ウルビーノのヴィーナスですが、もっと人だかりを予想していましたが、普通にゆっくり見てこれました。この前のフェルメール展のように、遠くにある作品を立ち止まらずに眺めるというような、見る気を削ぐような展示ではなく、全体を近くで見られる展示で大変良かったです。
    全体の印象としては、発色がとても綺麗で、1500年代に作られた作品とは思えない感じでした。すごいお金をかけて修復作業をしていることは確かでしょうが、これほど明るく綺麗な画面だとは思いませんでした。特に裸体を包む、布の白は、色あせが感じられないほど白かったので驚きました。画面の明るさやウェヌスの裸体を際立たせています。暗い緑と対比された、赤の使い方も良いです。
    同じ展示室にある工房作と比較すれば完成度の高さは一目瞭然で、布や花、背景まで筆が行き届いています。この作品だけの展覧会ではもちろんないですが、やはりこの作品が、ずば抜けて際立っています。マネのオランピアに至るまで、後世に与えた多大な影響というのも分かります。

    また、「ヴィーナスとアドニス」の主題の章でも、ティツィアーノの作品が見られます。ティツィアーノの作品では、狩に出るアドニスを引き止めようとするヴィーナスの姿が描かれています。狩に赴くアドニスと猟犬の力強さが、弱々しいヴィーナスとの対比でとても良く表現されています。ティツィアーノの作品の中では、形をしっかりとり、固い印象の作品です。

    ティツィアーノの作品以外では、アンニバレ・カラッチの二点が良かったと思います。リアルな肉体表現は他と比べてとても際立っています。画面構成も工夫されています。

    ティツィアーノの作品は、かなり昔の展覧会で、「フローラ」を見てから圧倒されっぱなしです。これからも見ていきたいです。
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