芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • オルセー美術館展 東京都美術館 


    いつもながら、終わり際に行ってきました。とても混んでいるのは知っていたし、自分でも確認していたので、平日朝から行こうとしてたんですが、結局休日になり花見シーズンも重って混んでいました。

    作品数も結構あるように思っていましたが、写真や工芸、習作デッサンなどが多く、油彩の絵画作品というのは案外多くはなかったように感じました。それなので、一部の絵の密集をさらに強化していたような。
    また、オルセー美術館展といっても、やはり常設のものがメインではなくて、現地では見られなかったものを見れたのは良かったかなと思います。以下、感想を持った作品を若干並べます。
    ■ルノワール「ジュリー・マネ」 
    有名な猫を抱くジュリー。線は硬いが、大胆なタッチで描かれている。全体的にくすんだトーン。

    ■クノップフ「マリー・モンノン」(下図)
    分断線を多く用いる特徴的な絵だが、それに合わせてタッチ、色調もならして描かれている。しかし、顔の描写は細やか。ホイッスラーと比べても面白い。





    ■アルベール・バルトロメ「温室の中で」(最上図)
    名の知れていない画家だが、技術のある画家。身体描写に重きを置いている。周囲のこまごまとしたものはタッチを大きく均質にしてバランスをとっている。逆光と、温室の外の見える奥行きある構図も目を引く。

    ■モネ「ベリールの岩、打ちつける波」
    岩と波のタッチ、波の色調など面白く、中でも「試せている作品」だと思う。

    ■テオ・ファン・レイセルベルヘ「舵を取る男」
    前に見たもの(ベルギー王立美術館展)と異なり、挑戦的な構図。個人的にはこのようなある意味、誇張的な構図は好まないが、波の表現はかなり良いと感じた。

    ■ルドン「ペイルルバードの道」(下図)
    幻想画家ルドンの風景画。やはり現実のものを描いた絵と、幻想的な絵との結びつきを感じる。同じく出品されている「キャリバンの眠り」と比較しても分かる。





    ■ジュゼッペ・ペリッツァ・ダ・ヴォルペート「死せる子供」
    イタリア系の名と特徴的な点描から、モルベッリ近辺の人かな?と思っていたら、やはり二人には親交があったとのこと。シンメトリックな構図と、見者の視点を喚起する構図で引き込まれる。何よりも光の当て方が良い。点(線)描のタッチを上手く生かしている。光に当てられて白装束の人たちと、その列の後につく田舎の子供たちの対比。とても荘厳な感じと、慈しみをおぼえる絵だと思う。今回の出品作の中で一番良いと感じた。セガンティーニ、モルベッリ、ペリッツアと19-20世紀イタリア画家はすごい。
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