芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • 2006年の展覧会を振り返ろう


    2006年に行った展覧会を振り返ろうと思います。
    今年行った展覧会をまず挙げたいと思います。

    ・国立西洋美術館
    「ロダンとカリエール展」 「ベルギー王立美術館展」
    ・東京都美術館
    「プラド美術館展」 「大エルミタージュ美術館展」
    ・損保ジャパン東郷青児美術館
    「ウィーン美術アカデミー名品展」
    ・ザ・ミュージアム
    「スイス・スピリッツ 山に魅せられた画家たち」
    ・森アーツセンターギャラリー
    「クリーブランド美術館展」
    ・江戸東京博物館
    「ナポレオンとヴェルサイユ展」
    ・日本橋三越
    「ベオグラード国立美術館所蔵フランス近代絵画展」
    ・東京藝術大学大学美術館
    「NHK日曜美術館30年展」
    ・東京国立近代美術館
    「藤田嗣治展」
    ・三鷹市美術ギャラリー
    「高島野十郎展」
    ・東京国立博物館
    「若冲と江戸絵画展」
    ・うらわ美術館
    「近代の美人画―その耽美と憂愁」
    あわせて14展でした。去年と比べて、行った展覧会の数はさほど変わりませんが、いろいろな会場の展覧会に足を運んだな、という感じです。

    画家個人に絞ったものは、「ロダンとカリエール展」、「藤田嗣治展」、「高島野十郎展」と昨年に比べて趣味に直にかぶるものは少なかったです。このような企画は、やはりその美術館にいる学芸員さんに大きく左右されると思いますが、特に「ロダンとカリエール展」のように、親交の深い芸術家同士の相互作用などにスポットあてたものはあまりなく、二人が画家と彫刻家であるということも加えて、興味深い展覧会だったと思います。
    「藤田嗣治展」は、作風や画題の変化の起伏が激しい画家のキャリアを見渡すのに良い展覧会でした。特に動物を扱った作品が良かったです。
    「高島野十郎展」は、あまり人口に膾炙していない日本の洋画家を再評価する展覧会です。パステル調の色づかいや、細かなデッサン、仕上がりの丁寧さに魅かれました。

    僕の好きなフランスの近代画を扱ったものとしては、「ベオグラード国立美術館所蔵フランス近代絵画展」「クリーブランド美術館展」がありました。
    「ベオグラード~展」の方は、唯一会場がデパートでしたが、印象派好きにはうってつけの展覧会でした。会期ギリギリでしたが行けて良かったです。
    森センターアーツギャラリーの「クリーブランド美術館展」は、昨年の「フィリップス・コレクション展」に続いて、アメリカの良質なフランス絵画コレクションを見せてくれました。アメリカの美術館などそれぞれ行ける機会はないと思うのでとてもあり難いです。

    その他の「~美術館展」としては、「ベルギー王立美術館展」「プラド美術館展」「大エルミタージュ美術館展」「ウィーン美術アカデミー名品展」。
    これらの展覧会はどれも良い作品を沢山紹介していたと思います。
    「ベルギー王立美術館展」の近代絵画などは、クノップフ、アンソールらをメインに、昨年からの「ベルギー象徴派展」「ゲント美術館展」などのベルギー絵画展の流れを良く汲んでいて、より興味が深まります。
    その他、「プラド美術館展」「大エルミタージュ美術館展」は会場が都美だけに宣伝もしていて、内容もそれなりでしたが、これに対し伏兵的な展覧会だったのが、「ウィーン美術アカデミー名品展」。何気に、フランドル、スペイン、フランス、イタリア、ウィーンなどの各国の大家の作品が並べてあって驚きました。ウィーンというと、ウィーン美術史美術館の所蔵品を見せる展覧会を見ましたが、この美術アカデミーの所蔵品もヴァリエーションがあり良いものでした。

    テーマをこれ以外に絞った展覧会として、「スイス・スピリッツ」展、「ナポレオンとヴェルサイユ展」、「NHK日曜美術館30年展」。
    この中では、「スイス・スピリッツ」が特に面白かったです。テーマをスイスの自然に絞り、様々な時代の絵画や造形を展示して、幅広い取り合わせの作品たちが共存していました。
    「ナポレオン~」の方は、会場が江戸東京博物館ということで、絵画展的なのりではなかったものの、帝政下で発展した新古典主義を見るには良いテーマだったかと思います。
    「NHK~展」はまさに芸術作品のるつぼのような展覧会でさまざまな人の作品が見られました。気に入った画家については、もっと見たい感が残りました。

    この頃注目している日本画の展覧会として、「若冲と江戸絵画展」「近代の美人画―その耽美と憂愁」に行きました。もっと日本画を扱った展覧会はあったので、これからは行く機会を増やしていくつもりです。
    特に、「近代の美人画」展の方は、初のうらわ美術館でしたが、ちょっと遠出でも行って満足でした。伝統様式が重んじられている日本画に、近代になって、写実主義などの西欧的な要素が加わったものは、それぞれの個性が良く出るところで面白いです。
    「若冲~展」の方は、これに対して、動植物画メイン。動植物の方は江戸時代にはもう写実主義が十分入っていて、細やかな日本画が見られました。


    最後に、個人的に挙げるベスト。やはりひどく偏りがあります。断りがないものは、それぞれのレヴューの方にピクチュアがあります。

    ・ティツィアーノ 「サロメ」(プラド美術館展)
    ・ムリーリョ 「エル・エスコリアルの無原罪の御宿り」(プラド美術館展)
    ・テオ・ファン・レイセルベルヘ「読書をする婦人と少女」(ベルギー王立美術館展)
    ・フェルナン・クノップフ「シューマンを聴きながら」(ベルギー王立美術館展)
    ・ギュスターヴ・ド・ヨンゲ「散歩の後」(大エルミタージュ美術館展)
    ・ジェームズ・ティソ「7月、肖像画の見本」(クリーブランド美術館展)
    ・アンリ・ファンタン=ラトゥール 「ルロール夫人」(クリーブランド美術館展、ピクチュア無し)
    ・ローベルト・ルス 「ペンツィンガー・アウの早春」(ウィーン美術アカデミー展、ピクチュアは上図)
    ・山川秀峰 「花簪の女」(近代の美人画展)
    ・酒井抱一 「十二か月花鳥図」(若冲と江戸絵画展)
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