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  • コラリー・クレモン 「ルゥからの手紙」 Coralie Clément  sall des pas perdus


    最近のフレンチ・ポップには詳しくないのですが、いくつか試聴した中で、一番ピンときたのが、コラリー・クレモン。
    この彼女のファースト・アルバムは、ヴォーカルもメロディも、良くいってフレンチ・ポップの王道をいっており、シンプルな演奏にアンニュイな女声が押し出される、いわゆるフレンチ・ポップを聴けるならば安心して聴ける一枚です。フランスでもヒットしたようです。

    プロデュースをしているのが、兄のバンジャマン・ビオレー。ソロの他、数々のアーティストの作曲やアレンジを手がける、まさに今をときめく音楽家とのこと。このCDの制作は、彼が作曲した歌を妹のコラリーに聴かせ、軽く歌わせてみたところから始まっているそうです。
    バンジャマン・ビオレーがケレン・アンとのパートナーである関係で、M1「sall des pas perdus」がケレン・アンの作詞ですが、他は作曲した曲は作詞までバンジャマンが手がけていて、まさにコラリーのためにバンジャマンが取り仕切ってつくったアルバムになっています。

    全体を通して、こうした経緯を見て当たり前かもしれませんが、とても均整が取れ、まとまった印象を受けます。演奏はアコースティック・ギターなどを中心に、ヴァイオリンやピアノ、サックスなどの音色が心地よく響いてくる。ヴォーカルにとてもマッチしていると思います。少しばかり曲の感想を。
    M3「ça valait la peine」は冒頭からのちょっと早口なヴォーカルが軽快なリズムにのって流れる小品。バックの演奏はとてもシンプルでやはりヴォーカルありきの曲。
    M7「sanba de mon coeur qui bat」はサンバとタイトルにあるけれど、メロディもヴォーカルもかなり切ないです。サビのリフレインが耳に残る、印象深い曲。
    M13「mes fenêtres donnent sur la cour」は、ピアノの伴奏がとても引き立っている、しっとりしたクラシック風味のするワルツ調の曲。間奏にはヴァイオリンなどの音が加わりますが、ヴォーカルとピアノ、アコースティック・ギターで織り成されていて、中でも美しい曲です。

    2ndも発売されていますが、これは1stのテイストとは異なり、ロック色の強いアルバムになっています。アレンジや音の加工の幅が強いので、1stのナチュラルさがなくなったのは少し残念ですが、別の一面を見せてくれていると思います(それよりもCCCDってことが嫌かな)。引き続き3rdにも期待したいです。

    原タイトルを見れば分かる通り、日本語タイトルは創作。
    しかし、M1「sall des pas perdus」が、ルゥという女性が駅のコンコース(=sall des pas perdus)であった男に認めたラヴレターの形式をとっているので、「ルゥからの手紙」なんてどの箇所にも出てきませんが、中々良いタイトルといえるでしょう。
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