芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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    『ゲド戦記』所感
    幼い頃からジブリ映画は映画館で見るということが習慣となった僕にとって、今回、多少ながら心配していたことは、この映画が、プロモーションとは反対に、かなりといっていいほどの否定的評価を受けていたことである。正直、これほどまでに、という表現を見て驚いていた。僕としては、他者の作品を公然とこき下ろしてみることは理由の如何にせよ憚られる。ここでは、ひどく個人的な見方かもしれないが、それらに対しての一つ見方を提示しておきたい(それ故、以下は素直な感想とはいえないかもしれない。最後に読み返すと確かに、否定発言への自分なりの応答になってしまっている。しかし、見る前に大量且つ深刻な否定コメントを見てしまった以上、それを分析的に見てしまうのは仕方なかった。このような意味で、今までのジブリ映画感想と背反する大量コメントを見てしまった、あるいは存在を知ってしまった人は、残念ながら素では見れないだろう。)

    まず、正当に、あるべき手続きを踏んで、作品を批判、批評(ある程度公性がある、あるいはそれを求められる意見)をするには以下の確認事項が念頭にある必要があると思う。もちろん、これは制限事項であるから、数が少ない方が良いだろう。
    原則論として、
    ・作者その人と作品の批判・批評は分けられるべきであること。(個人のある要素と作品の結び付きをいうなら問題ない)
    ・批評・批判であるならば、もちろん誹謗・中傷ではなく、一般性(客観性)をもった論拠があるべきこと。
    ・一つの作品でもって、独立して批評・批判可能であること。
    ・パースペクティヴの差異などによって意見の優劣(これが仮にあるとして)は論じられないこと。
    事実確認として(僕も優れて詳しくはないので、追加されるべきかもしれないが)、
    ・ジブリ映画=宮崎駿監督作品ではないこと。
    ・監督は、宮崎駿監督の息子であり、一新人監督であること。

    以上、僕として然るべきだと思うことしか述べていないが、これらが確認されて、批評・批判がなされて欲しい。

    以下は個人としての感想。
    ・ストーリーについて。
    まず、僕は原作を読んでないので、それとの関連で述べることはできない。そのような立場の感想として、多く説明を省くような箇所が幾つかあると思う。そして、それがストーリー(または世界観)の根幹部に強く関わってしまっている。これが、人の「諒解感」をなくしているのだと思った(つまり「場を借りてる」感を残す。ストーリーテリングが最初に来ない感じ)。自己補完的にストーリーを見る必要が多分にあるだろう。また、最初に話の終着点がおおよそ掴めたり、伏線的内容が充満してたり、始終緊迫したシーン、笑いを誘うシーンなどを描いたりしているわけではないので(こういうのを強く求めるなら同時に公開されている某映画を奨める)、これがある種の冗長感なり物足りなさを人によって感じさせるのだろうと思った。僕なりの表現でいえば、P.D.ジェイムズのダルグリッシュ・シリーズを愛読できる感受性があるならば、まったく問題ないといったところ。この映画についていえば、原因(過去)、結果(これから)をあまり強くはっきり描かないで、過程をざっと見せる感じといえるかもしれない。万人受けはしないし、子供向け(良い意味で)でもないと思った。そもそもキャラクタがF(x)的なキャラ(xに自己イメージを代入)では一般的になさそうであるから、その距離感が否定感情を増している感もする。
    ・作画について。
    背景について問題をいっていた意見があったが、僕としては背景は問題なかった(挙げるとしたら、強風に揺れる草木の表現くらい)。むしろ、その作画をたたえたい。空(雲、光、星)や建物(煉瓦、タイル)などは良いと思った。また効果的な俯瞰構図なども良く背景を見せていた。一般的なアニメ絵のように、輪郭線を強調しない画調であり、よりピクチャレスクな作画なので、(そこに人物を配したとき)違和感を持たれるのかな、とも思った。背景よりも僕は、人物・動物表現のディフォルメ感や骨格の方が目に付いた。正直、これが一番気になってしまった。
    ・その他。
    良くいわれる声優棒読み批判は、僕としてはさほど気にならない。普通に喋っても、そんなに抑揚つけたり、全て滑らかだったりするかな、なんて思ったりもしなくもない。それよりもタレント、新人ということに批判がくるのだろうと思う。メッセージを言葉で直に言わせすぎ批判は、人それぞれでは(この言葉を出したら駄目か。でも会話内容が荒く、実直で、真面目で、人生観にも関わる「ような」ものなので、敢えてこういう)。言葉ではっきりいうことで、やんわり感は意図的に消せるし、会話内容もそれなりに咀嚼が必要だった。個人的にはそのようにいってもらって良かった。
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