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芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美 京都国立博物館
    三十六歌仙絵としては第一級品の佐竹本を展示する企画展です。
    売却が決まったものの超高額であったため単独購入できるものがおらず、分割されくじによって時の文化人・財界人に所有された経緯もドラマ性を帯びています。
    大正8年当時から所有者も変遷しているようですが、今回37図のうち31が集結しています。
    前後期の展示替えがありましたが、数日間はともに見られる期間があったようです。

    絵巻切断の是非は論じる知見はありませんが、断簡となってちょうど100年たった現在でも、37図とも日本にあって所有者が把握されている形になっていればよいのかと思います。今回集まらなかった絵図は所有者側に何か事情があるのでしょうか?
    他の三十六歌仙絵も切断された後国外流出・現存せず、というのもあるので、やはり切断されたとはいえ一つも欠けることなく残っているのが重要かと思います。
    ※切断といっても最初は紙の接合部を分けたということですが、やはり表装時に余白を切ったりしていて現存する各絵図を組み合わせても切断前にはならないようです。

    個人的には、明治大正の時代に、日本国内でこれだけ破格な評価を得ていたことは単純にすごいと思うと同時に詳しい理由が気になりました。
    ネットで当時の価格表(最初の売出)を見たのですが、二巻の絵巻とはいえ、雪州、雪村、光琳らの作品の売値を足しても足らないほどでした。
    ※それでも一歌仙1万円以下。数年後の切断時にはこれより若干ですが総額の売値が上がってしまっています(男性歌仙の最低根は3千円ですが、女性歌仙は「斎宮女御」4万~「小大君」2万5千円と高価)。
    絵画としてはこまやかで趣はあるものの質素であり、やはり希少性、歴史的・資料的価値なのでしょうか。いくつも写本が残っていることや、ほとんどが重文になっていることからも分かりますが、日本美術に詳しくない身としてはここら辺の価値については少し勉強する必要ありと感じました。
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