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芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • ウィーン・モダン 国立新美術館
    オーストリアとの外交樹立150周年を記念しての企画展です。
    都美術館のクリムト展は想像を超える入場待ちのため鑑賞を放棄しましたが、こちらはなんとか鑑賞することができました。

    タイトルの通り、ウィーンの近代化に焦点をあて、19世紀のリンクシュトラーセの構築やビーダーマイヤー時代から、分離派、20世紀のモダンアートまでを中心に扱っています。
    絵画、工芸、歴史資料など展示品は多岐に渡り、展示量も多かったです。私は2時間半ほど時間を取っていましたが足りず、最後のシーレあたりはほとんどスルーしました。
    展示品はウィーン・ミュージアムのコレクションから構成されており、6年ほど前になりますが現地で見た作品との再会もあり懐かしい気分にもなりました。

    ビーダーマイヤーは、ウィーン・ミュージアムではヴァルトミュラーのコレクションが充実していますが、今展でもそれが反映されていました。
    フリードリヒ・フォン・アメリングは現地でも常設されている代表作「3つの最も美しいもの」と、妻を描いた肖像の2点来ていました。

    個人的に驚いたのが、ハンス・マカルトを章立てして紹介していたことです。
    マカルトは日本ではほとんど無名(?)かもしれませんが、ウィーンでは(再)評価されている19世紀を代表する画家で、クリムト、ミュシャらにも影響を与えたことでも知られています。とはいえ、日本で取り上げられているのを未だ確認したことがなかったので、作品をまとまって展示し業績・位置づけを示していたことは意義があると思いました。
    もちろん絵画技量についても文句のつけようなく、私のウィーン訪問時、ほとんど予備知識がありませんでしたが一番目に焼き付いたのが彼の絵です。現代の尺度で見ても十分に魅せるものがあります。分離派や象徴派などの核が確かに読み取れる稀代の画家と思います。早逝しなかったらどうなっていたのかとも考えさせられます。

    分離派セクションでは、クリムトが充実していたことに加え、分離派展ポスターのコレクション一大展示が圧巻でした。同じ分離派展のポスターですが、デザイン、タイポグラフィのバリエーションがあり、どれも作品として魅せるものになっています。
    版画作品については、「ウィーン工房のグラフィック」での展示も充実しており、分離派、ウィーン工房のメンバーのデザインの素晴らしさを堪能できました。やはり、ポスター、ハガキなどの印刷デザイン、媒体の発展は都市のモダニティと関連が深いので外せないテーマです。
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