FC2ブログ
芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
  • calendrier
  • 国立中世美術館


    最初にパリに行ったときに訪れたのが2005年とのことで、今回13年ぶりの訪問です。
    写真のとおりガラス張りの立派なエントランスができ、以前の趣は一新されていました。
    残念ながら常設展示領域は大幅に減っていたのですが、公式HPを見るに「2020年末まで中世館(l’hôtel médiéval)は改修のため閉館」とあるので今は限定的に開館しているかたちなのでしょう。新エントランスも2018年からなので、目下改修プロジェクトが進んでいるようです。

    中世美術館といったら、おそらく世界で一番有名なタペストリー「貴婦人と一角獣」ですが、このタペストリーは新しい展示室で常設されています。
    驚いたのが、ガラスごしなどではなく、低い柵を挟んだ1メートルくらいの距離で四方に立つタペストリーを本当に間近に見られるということです(下図参照)。衣服や動物の毛並みを表現する立体的で複雑な織りを隅々まで鑑賞できます。
    2012-2013年に行われた補修プロジェクトで、このような環境での展示に耐えうるまでになったのでしょうが、これだけの超重要美術品をこんな風に展示してよいのかと思ってしまうレベルではありました(そのくらい近いということです)。
    事実、訪問時も幼稚園児くらいの子供が集団で来ており、展示室に溢れていて危ないと思っていたら、何人かの子供が柵を越えて直接タペストリーに触っていました・・・
    これを目当てにきた鑑賞者にはとって間近に見られることは素直に嬉しいことですが、未就学児やアクシデント(狭く混み合う状況が生まれやすい)などのことを考えるとやはり憂いも残ります。鑑賞者としては、鑑賞マナー、ルールをきちんと守り、混雑時などは不可抗力によるアクシデントも起こりえることも想定をしながら、注意深く鑑賞することに越したことはありません。

    今回、中世美術館を訪れた目的は、一角獣のモチーフの歴史的展開、現代の受容などをテーマとした企画展を開催していたためです。中世の文献・タペストリー、モローの絵画から現代の衣装、コンセプトアートまでが集まり、面白い空間となっていました。
    今後の企画展の充実や、2020年以降の完全なリニューアルオープンが待たれるところです。
    「貴婦人と一角獣」は日本にも来て企画展は盛況でしたが、見ていない方は一度見ておく価値はありますし、一度見た方も目の前で鑑賞できる機会で新たな発見などがあるはずです。



    スポンサーサイト