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芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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    映画 女の一生
    原作 ギィ・ド・モーパッサン
    監督 ステファヌ・ブリゼ
    2016, フランス

    モーパッサンの傑作『女の一生』が映画化、ということで岩波ホールまで見てきました。
    簡単に感想を書きます。

    ナレーションや独白、説明調なセリフが排除されていて、かつ、映画的表現手法として、物語軸のほか現在と断片的回想が織り交じるので、正直言って予備知識なく初見で始まりから物語を諒解するのは少し難しいかな、と感じました。
    ジャンヌの結婚から老いまで、描くスパンも長いので、場面展開も早く、次のカットでは数年進んでいる、あるいは(過程抜きで)結果しか描写しない、ということもザラであり、ここも付いていかなければいけません。
    ※ただ、最後では小説同様、説明的、結末的なシーンが入るので、最後まで置いておかれるということはないです。
    ということで丁寧に小説的に事件や感情をなぞることはしていないので、そういう意味では、小説描写の客観的な映像化、PVのようにも感じました。悲劇的な事件とは逆の、幸せな回想シーンは悲哀を増します。

    個人的には小説の世界を現実的に映像化している点は評価できると思いました。
    上でも述べたようにナレーションだったり字幕だったりセリフだったりの説明を避け、回想(心象風景)や登場人物のやりとり・感情表現で場面を展開させている点も特徴的で、「一生(Une Vie)」の流れを感じさせました。
    ただ、ジャンヌが自身の外の人間の世界との折衝やそこでの挫折に苦悩するのは、彼女が少女時代を修道院で生活をしてきたことや、結婚やこれからの生活を理想化し夢想していたことが大きいわけです。
    プレーンな、一般的な人間が運悪く周りの不道徳な人間に裏切られたということだけでないことが重要なのだから、そういう部分をもうちょっと見せていれば、悲劇性や神の教え、最期の救いというものがよりクローズアップされたと思います。

    全体的には小説の各事件を大きく省くことなくテンポよく最後まで描写している点など、古典の映画化としては適切と思います。小説を読んでから見たい映画と思いました。
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