芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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    メアリー・カサット展 横浜美術館
    印象派の女流画家メアリー・カサットの回顧展です。
    日本での回顧展は35年振りだそうですが、メインに取り上げられる企画展もそうそうなく、ほとんどの人が彼女の画業を俯瞰する初めての機会になったのかと思います。

    一口に印象派の画家として語られることが多いのですが、最初から印象派グループに属して画法を吸収していったわけではなく、アメリカからパリに渡りアカデミーの絵画を学んだり(ジェロームやトマ・クチュールに師事)、スペイン、イタリア、オランダ等各地に赴いて巨匠の絵を研究したりして素養を積んでいっています。画家としてスタートした20代はサロンでの活躍を志向しており、ドガの先導により印象派に参加するのは30代からです。ということで、アカデミックな教育や趣向のもと、(印象派的なタッチの中にも)デッサン等の基本はしっかりとしており、この姿勢は後年になっても作品を見る限り変わっていないようです。おそらく、カサットとドガがお互いの作品に感銘を受けたのも、デッサンにあったように個人的には感じます。この点は、ほかの主要印象派画家の意識があまり向いていない点で、カサットがずば抜けている点です。展覧会では、この修行期の作品もいくつか展示されており、過去の大家からエッセンスを吸収しようとする姿勢が見て取れます。

    カサットと聞いてまず彷彿される母子像も完成度の高いものがいくつも展示されており、回顧展の充実度を高めていました。
    また、彼女が、油彩やパステル以外にも、版画作品を多く残しており、多色刷り銅版画など大変クオリティが高いことにも驚きました。印象派周辺の例外にならずカサットも日本の浮世絵からの影響を受けていたとのことで、主題や遠近感のない背景や装飾的な構成などにそれが表れていると感じました。
    関連作品の展示もあり、内容的にもよかったです。
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