芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • 最後の印象派 1900-20's Paris
    久しぶりに赴いた損保美術館の企画展です。
    会期は昨年に終わっていますが、簡単な感想を残しておきます。

    タイトルには「印象派」とありますが、本展で紹介されるのは、「画家彫刻家新協会(ソシエテ・ヌーヴェル)」を設立した画家であり、ル・シダネル、アンリ・マルタン、アマン=ジャン、クラウスらの絵画を見ることができます。個々の画家の絵が出品されていることはありますが、「新協会」そのものにスポットをあてた企画展というのは本邦初ということで、随分と貴重な機会と思います。

    新協会は1900年に創設され、休止期間も含みながら、1922年に最後の展覧会が開催されています。
    印象派の最後の展覧会は1886年に開催されており、また新協会メンバーの交友などを踏まえると、ポスト印象派以降の世代・運動に属することが分かります。
    新協会画家はアンティミスムと見なされることが多いようですが、彼らが「最後の印象派」たりえるのは、反アカデミスム、自然主義、戸外の光の効果を捉える色彩やタッチ等の印象派的手法の志向にあるといえます。全体に共通したモチーフや画風というのはきっちりとは見いだしにくいですが、対象をいきいきと、ありのままにとらえようとする印象派のマインドは伝わってきます。

    第一章は、エルネスト・ローラン、アマン・ジャン、アンリ・マルタンらを展示するセクションとなっており、作品のクオリティから見て、一番の見どころと思いました。
    エルネスト・ローラン、アマン・ジャンの作品は、アンティミスムやシンボリスムを醸し出す、アンニュイで独特の空気感のある女性像が並びます。
    第二章は、なんといってもアンリ・ル・シダネルの大作が目を引きます。
    「日曜日」をはじめ、パステルカラーで統一された画面はとても神秘的であり、その他、室内画・静物画を見ても、細やかに画面構成されています。
    また、「コンコルド広場」では、点描タッチと緑の色相でもって夜の街の情景が描かれており、ライト(黄色)が妖しく存在感を持つように配置されています。
    三章以降は、新協会のメンバーを出身等で分け、紹介するセクションとなっており、メンバーの幅の広さを知ることができます。
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