芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 三菱一号館美術館


    ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵の、フランス印象派コレクションをメインとする企画展です。「日本初38点を含む全68点」の展示、ということでボリュームも適度だったかと思います。展示期間は終了していますが、簡単に振り返ります。


    1章は「戸外での制作」と題されており、ブーダンの作品が目立ったセクションとなっていました。比較的に珍しいオディロン・ルドンの風景画もありました。
    2章は「友人とモデル」でルノワールの作品がメインとなっていました。有名な作品を含め、1870年代の初期の作品が4点ありましたが、女性のかわいらしさを捉える構成や肌の複雑なつくりなど見事です。
    個人的に気に入る作品が多かったのは4章の「静物画」です。
    ファンタン=ラトゥールの作品はいつ見ても色彩や構成が素晴らしいと思います。つまり、モモを三つ描いただけでも、品がある、のです。ブドウとカーネーションを描いた静物も、非常に抑えめの色調のなか、ブドウの描き分けがしっかりとなされ、カーネーションのアクセントが光っています。
    巨大なバターの塊を描いたアントワーヌ・ヴォロンの作品も、シンプルながら、堂々としており、見応えがありました。添えられた卵を見るにほぼ原寸大のバターの塊をえがいているのでしょうが、バターの脂やナイフで絡めた感じが生き生きと伝わってきます。
    こういった方向の油彩表現は、マネも非常に得意とするところで、本展では牡蠣の静物が紹介されていますが、絵筆が躍動していると思わせるほどの量感を認めることができます。
    最期の章は、ボナールとヴュイヤールにあてられていました。

    印象派に加え、ブーダン、ファンタン=ラトゥールなどその前後周辺の画家の質の高い作品を見ることのできる展覧会となっていました。
    2011年にも国立新美術館でコレクション展が行われていましたが、もっと作品を紹介して欲しいと思わせる内容でした。

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