芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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    カイユボット展 ブリジストン美術館


    印象派の面々を資金面でサポートしたことで知られる、ギュスターヴ・カイユボットの個展です。
    画家としての再評価は歴史が浅く、1994年に没後100年の回顧展が世界各地を巡回したことを皮きりに再評価の流れが始まっているようで、日本では(加えてアジアという枠でも)本展が初の回顧展になります。
    2013年にもなって初めて、というのも意外なところですが、本展はフランスのオルセー、マルモッタンをはじめとして世界各地の美術館や、質の高いプライヴェートコレクションから構成されており、とても見応えのある企画展であったと思います。人の入りも思ったよりも多かったです。

    画家としてのカイユボットは、1872年レオン・ボナのアトリエに入り、翌73年にパリ官立美術学校に入学、74年から印象派展に出品、と素人や日曜画家というわけだったわけではなく、他の印象派画家と同じようなコースを辿っています。画風も、特に風景画などモネを代表とする印象派の様式を強くかもしています。
    人物画では、ドガ然とした、綿密に筆の入った力作が多く、カイユボットのオリジナリティを探るのなら、(室内)人物画に求めるべきと思います。また、都市生活を描いた作品以外にも、画題にはヴァリエーションがあり、静物画や風景画などいろいろな作品を残していることは初めて知りました。

    画家としての腕については、(彼が絵画教育を受けており、画面構成、デッサンの基礎的な部分の力量は確かめられるものの、)パースペクティヴや人体デッサンの狂いがかなり認められ、この部分は以前から気になっていました。
    こういった狂いは、彼の細密な描き込みのある画面の中では非常に目立ち、カイユボットが印象派画家であるということが前面に出ない一因にもなっているのかと想像もしてしまいます。
    カイユボット研究者や愛好者はこの面はどのように評価しているのかも気になります。

    さまざまな画題での作品、カイユボットの弟マルシャルの撮った写真資料、印象派画家の参考作品と、非常に内容のまとまった企画展になっており、しばらくは個展は開かれないだろうことも加味しても、行っておく価値のある展覧会であると思いました。前回のドビュッシー展に続き、ブリジストンは良い企画展が続いていると思います。
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