芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • モローとルオー -聖なるものの継承と変容- パナソニック汐留ミュージアム


    ルオーのコレクションで知られているパナソニック汐留ミュージアムで、モローとルオーの関係性に焦点をあてた企画展が開かれる、とのことで、久しぶりにこの美術館に行ってきました。
    この企画展は、フランス、パリのモロー美術館のマリー=セシル・フォレスト氏が監修しているということで、同美術館のコレクションが日本で鑑賞できる絶好の機会でもあります。
    さらに、ルオーの初期作品を見ることも貴重かと思います。

    内容は、モローとルオーがどのように関係し、影響を与えあって芸術をつくっていったか、ということを学生ルオーの作品を中心に描いています。
    両者作品の比較対照のほか、ローマ大賞やその他のコンクールがどのような選考過程を持ち、ルオーがそれに向けてどのような作品を提出していたのかという、あまり表だっては展示されないものがいくつもあり、美術史学的に見てもとても興味深い展示をしていました。
    また、この美術史学的観点では、往復書簡も展示・解説されており、二人の親密さの進展などを客観的に知ることができます。書簡では、モローはルオーにあてて、「Mon cher (enfant)」というような言葉を用いていたり、励ましをしていたりと、特別目をかけていたことが分かります。
    両者はかなり年齢は離れているものの、長い付き合いを経て、お互いに相手を一人の画家として認め合っていたことが作品や手紙などの資料から伝わってきました。
    確かに、このような関係性をたどれば、モロー美術館の初代館長をルオーが務めたのも納得がいってきます。

    個人的には、モロー作品を目当てに行きましたが、モロー美術館で常設の、「レルネのヒュドラ」や「ユピテルとセメレー」などの秀作が来ていました。また、抽象性の高い、色彩を試す習作など、モロー美術館特有の作品も来ていました。モローの作品は少なめでしたが、「特別セクション 幻想と夢」という、モロー・セクションが設けられていました。

    テーマの面白さ、モロー美術館作品の展示など、いろいろと光るところのある企画展でした。作品数は多くなかったので、個人的にはモロー作品を中心に見て、1時間くらいで鑑賞できました。
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