芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • バーン=ジョーンズ展 装飾と象徴 三菱一号館美術館


    エドワード・バーン=ジョーンズの日本初となる回顧展です。東京(三菱一号館美術館)のほか、兵庫、福島を巡回します。

    これまでバーン=ジョーンズの作品は、ラファエル前派やウィリアム・モリスと関連させて出品されることが多く、国内でまとまって作品を見る機会はありませんでした。かなり前ですが、ウィンスロップ・コレクション展で複数来ていましたか。
    ミレイやウィリアム・ブレイクなど、19世紀イギリスの画家に焦点を当てる展覧会もちょくちょく開催されるようになっているので、この流れが続くといいです。

    今展の見どころは、ペルセウス、ピグマリオン、いばら姫をテーマにした連作です。
    バーン=ジョーンズというと、動きの少ない人物画のイメージがありますが、ペルセウス連作は、躍動感ある人物、構図になっており、大画面とあいまって見応え十分です。この連作は、参考展示やカタログなどにて、構図の変遷や違う場面も見てみるといいと思います。
    いばら姫は、いくつもヴァージョンが描かれたテーマで、今回展示されている「眠り姫」の場面を描いたものは特に好まれたテーマみたいですね。こちらもヴァージョン違いも確認すると面白いです(二玄社「イメージの森の中へ」シリーズで扱われてもいます)。習作も展示されていますが、物語よりも眠りを象徴的に、ミステリアスに焦点化していることが分かります。

    バーン=ジョーンズは、グワッシュで描いている作品が多く、今展でもいくつも見ることができますが、油彩と見分けがつかないほど重厚に塗り重ねされていることに驚きます。色の深み、重さを保ち、グワッシュでこれほどまでに端正に表現しているのはあまり見ない。特に、「慈悲深き剣士」「大海蛇を退治するペルセウス」などは注目すべきです。
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