芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
  • calendrier
  • スポンサーサイト
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。
    --/--/--(--) --:--:--| スポンサー広告| トラックバック(-) コメント(-)
    ユベール・ロベール-時間の庭 国立西洋美術館


    18世紀後半に活躍したフランス画家、ユベール・ロベールの日本では初の回顧展です。
    ユベール・ロベールは、幻想の遺跡、廃墟を構成するカプリッチョの画家と知られており、ルーブルに行けば大作をいくつも見ることができます。
    こういう考えもあり、展示内容も確認せずに、大作をのぞいた油彩が適度に展示されていると思っていたのですが考え違いでした。
    イタリアの風景を描いたサンギーヌ(赤チョーク)素描のコレクションがずらっと並べられており、かなりの見応えがある展覧会となっています。これは、ロベールの充実したコレクションを持つ、ヴァランス美術館の改修に合わせて同美術館のコレクションがまとまって来ているためです。
    2時間あれば余裕をもって見られると思っていましたが、限られた時間ではちょっと見足りない感があったので鑑賞時間はゆとりを持った方がいいですね。

    ロベールの素描は確かな技術、制作数、構成力に裏打ちされ、一枚一枚が完成度の高いものです。チョークの線やストロークの強さや太さの使い分けで巧みに風景や物体を表現しています。線もとても上手くて、無駄なものがなく、画面が汚れたり描き込みの過不足あったりすることなく見事に描き分けがなされているのは驚嘆です。
    サンギーヌ画が油彩になるとどういった印象の変化があるのかを如実に示してくれるのが、「古代遺跡の発見者たち」(上図)です。素描は光の表現が弱くなりますが、これが油彩では色彩に加え陰影の効果が付加されて情感や臨場感が増されています。ただし、大作の部類はやはり誇大な構成が目立ち、素描のディーセントな構成から外れてしまうと趣きが変わってしまう印象を受けます。もちろん、大作というのはそれにふさわしい画面構成があってしかり、なのですが。
    また、今展でロベールが、同時代のルブランやフラゴナールと直接の交流があったことも知りました。こういう美術史的な背景知識は欠けているので、もっと学んでいきたいところです。
    スポンサーサイト
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。