芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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    三菱一号館美術館
    今年4月に丸の内にオープンした「三菱一号館美術館」にいってきました。
    オープン記念の企画展として「マネとモダン・パリ」展が開かれています。

    場所は丸の内、ってことでアクセスしやすいし、丸ビル周辺でのウィンドウショッピングも兼ねたり、と良いところにできたと思います。
    美術館という目的の建築ではないので、開かれた展示室があまりないのが気にもなりますが、各部屋を巡りながら絵画を見ていくと、それなりの趣を感じることができます。
    自分は、一通り目を通した後に、再度、最初の展示室から観賞することをしますが、そういう場合は、長く連なる部屋を逆走するよりかは、トイレ横の階段で階を移動するのがいいと思いました。

    さて、展覧会は、マネの回顧展となっていますが、それだけではなく、「モダン・パリ」とタイトルにもあるように、当時のパリの近代化の様子が分かるような資料・作品も交えてマネ作品を一望できるようになっています。
    全体を見て軽く思ったのは、マネの絵はある種、デザイン的であるということです。
    構図や装飾的な構成という面もありますが、全体としてそんなに絵画・油絵的な感じがしないし、そういう意味であの時代にあってかなり前衛的であると思いました。
    人物の顔なども、人肌を質感で表しているようなものは少なく、厚化粧をされたような均一な厚い塗りで処理されているのも印象深かったです。
    この辺は印象派よりも古典から遠い位置にいるような気がしました。
    見どころとしては、モリゾ関連の絵画、広間の展示室にある「死せる闘牛士」「街の歌い手」などを個人的には挙げさせてもらいます。

    これからも、企画展をやるスケジュールがあがっているので、注目していきたいと思います。
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    語りかける風景 Bunkamura ザ・ミュージアム


    ストラスブール美術館のコレクションを紹介する展覧会です。東京展は終了してしまいますが、これから11月末までかけて石川、岐阜、秋田と巡回するようです。
    作品は19世紀以降の絵画がメインで、表題のとおり風景画のコンセプトが1章から6章まで通して示されています。

    例のとおり、気になった数点をレヴューします。

    ■モーリス・エリオ「年老いた人々」
    エリオはカバネルのもとで学んだ画家とのことです。写実性を保ちながら無理なく点・線描で描いていく、という手法はレイセルベルヘやモルベッリらの絵画があり、個人的には注目の画風です。この時期、イタリアやベルギー、フランスなど各地にレヴェルの高い点描的絵画が生まれていたというのも驚きです。あまりそれぞれの画家のつながりが詳しく分からないというのが残念ではあります。
    さて本作は、老夫婦を前景に座らせ、後景に明るく輝いた田畑の広がりを見せています。老人の後ろの、ピンクの服を着た後姿の少女が、色彩・構図・対象の面で、老夫婦との対比を見せており、また背景の田畑の広がりを強調してもいます。老人の血管まで浮かび上がらせるような表現なども素晴らしいですが、配置・構成の面で大画面をうまく活かした仕事をしており、今展の目玉だと思いました。この作品のはがきが売っていたんですが、作品をはがき全体に載せようとして、作品の端を切り詰める格好になってしまっており、素晴らしい構図の台無し加減に落胆しました。

    ■アンリ・ジュベール「ジェノヴァ港の入口」
    あやしい雲行きの中、打ち寄せる波を上手く表現した作品です。正直、大気の表現はそれほど質感を捉えていませんが、波に関しては、質・量感、色彩がリアルに表現されていて、生々しい海を画面に認めることができます。ジュベールは、この他にも牧羊の様子を描いたダイナミックな構図の風景画が展示されています。

    ■テオドール・ルソー「木の幹の習作」
    エチュード(習作)となっていますが、伐採されて転がる幹の完成度はかなりのものがあります。バルビゾン派のレンジの広い風景画ばかり見ていると、こういう作品にはより引き込まれてしまいます。
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