芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • オルセー美術館展 東京都美術館 


    いつもながら、終わり際に行ってきました。とても混んでいるのは知っていたし、自分でも確認していたので、平日朝から行こうとしてたんですが、結局休日になり花見シーズンも重って混んでいました。

    作品数も結構あるように思っていましたが、写真や工芸、習作デッサンなどが多く、油彩の絵画作品というのは案外多くはなかったように感じました。それなので、一部の絵の密集をさらに強化していたような。
    また、オルセー美術館展といっても、やはり常設のものがメインではなくて、現地では見られなかったものを見れたのは良かったかなと思います。以下、感想を持った作品を若干並べます。
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    もののゆくえ
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    欧米で都市生活を満喫する高学歴若夫婦の妻の方は大学で社会学を専攻していた、あるいはカルチャースクールで社会学を学んでいる。
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    『ティモと沼の精』アンゲラ・ゾンマー=ボーデンブルク


    ちびっこ吸血鬼シリーズのアンゲラ・ゾンマー=ボーデンブルクの作品。
    この本では、田舎の沼地の村を舞台に、自然やものに宿る精霊を扱っていて、「ちびっこ吸血鬼」と同じく非現実の世界を描いていますが、「ちびっこ吸血鬼」のようなコメディタッチはなく、それだけ不気味さが漂う感じになっています。

    少しあらすじを紹介します。
    たいくつな夏休みを過ごすティモが、きびしい沼地の村、モールカーテンに住むミミおばさんのところへ一人旅をすることになります。ティモは、列車の中で、「夢を買う男」に自分の夢を売ってしまい、夢を見られなくなった男に出会い、モールカーテンの沼地にはお化けが住んでいることを知らされます。モールカーテンにつくと、ティモは、同じく赤毛をしたリュディアという少女に会いますが、なかなか打ち解けることができません。ティモは、おばさんの家に帰ると、かまどの精に出会い、赤毛をした自分が「特別な人間」であること知らされます。そしてティモは、同じく「特別な人間」であるリュディアと沼地へ冒険に出ます。

    物語としてみると、それぞれの章の転換が早く、つながりが薄いので、物語が単発的で流れがないように感じられます。さらに、夢を売ってしまい、さまよう男も、エピソードとして語られる部分は面白いのに、その後の絡みがないなど、少し膨らまし方が不十分なところがあります。しかし、全体としては、沼地の村の不気味な、非日常的な世界観が出されていて、そのようなテイストは十分伝わってきます。ちなみに、作者の住むところも沼地地帯ということらしく、インスピレーションは作者の体験から出ているのでしょう。
    何気に、リュディアのお父さんの「ぼくらはみんな俳優さ。人生はまるごと劇みたいなもんさ。……さて、そろそろ到着だ。」というさりげない台詞が印象に残ります。
    挿絵は、結構古風で、物語の雰囲気に合っていると思います。