芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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    青山ユニマット美術館
    新しく開館したばかりという、青山ユニマット美術館に行ってきました。
    結構おしゃれなつくりをした美術館で、カフェも併設していました。

    企業つきの美術館ですが、コレクションの充実具合は異常。見渡して、美術館にして一般公開するべき作品ばかりです。
    バルビゾン派、印象派、エコール・ド・パリ、にコレクションは集中していて、シャガール、コローなどに良い作品が多くありました。
    11月からは、「ミレー、コローとクールベ展」という企画展をしています。

    展示室は4階から、3、2階と下がっていくつくり。
    4階は、シャガールの展示室になっています。18作品を常設しているとのこと。
    シャガールというと強烈な色彩を使った作品が眼をひきますが、僕が気に入ったのは、「白い裸婦」。細かな岩粒(?)状のものを利用して、表面をところどころ盛り上げている絵肌が面白く、白い画面に花の赤色などが映えています。
    また、最初期の人物画がありましたが、こちらは周囲の作品とは別で、すごくくすんだ暗い画面をつくっています。

    3階は、エコール・ド・パリの画家の作品で、さまざまな画家の絵が見られます。
    ここでは、フジタ、デュフィ、ユトリロ、ローランサン、ヴラマンクが見所といったところでしょうか。
    フジタは、「乳白色」の作品が集まっています。裸婦がメインですが、「バラ」という、花瓶にさされた曲がりくねったバラを描いた作品があり、こちらの方が個人的には気に入りました。
    デュフィは、水色一色の下塗りに、女性の全体像が描かれた大作があり、かなりの異彩を放っています。
    ローランサンは、「チューリップと女性」という作品が構図的にもまとまっていて、なかなかの出来栄えです。いつもローランサンを見て思いますが、こんなに純な灰色を大胆に使って背景処理ができるなと…。
    ヴラマンクは、「村の通り」というのがこれこそヴラマンクという作品でした。チューブから出した絵具をそのまま混ぜないで、パレットナイフで画面の上で広げ、うねりをつけたりしているところは面白いし、通りが何か勢いを持って迫ってくる感じはすごいです。また独特の黒の使い方はこの作品でも顕著です。

    2階は、今回の企画展のフロアで、ミレー、コロー、クールベとバルビゾン派の作品がありました。
    ミレーは、「一日の終わり」と「犬を抱いた少女」が見るべき作品でしょうか。
    前者は、彼の主題となった農夫の姿で、逆光を効果的に使うお馴染みの作品のヴァージョン。サーモンピンクの落ち着いた空が対比で綺麗に見えます。
    後者は、グルーズを思い起こさせるような、甘美で愛らしい少女の肖像画。柔らかいタッチで描かれ、同じく展示されている初期の固い肖像画と比べて、画風の変化が良くわかります。村内美術館にも、鏡の前の少女を描いた作品がありますね。
    コローは、中でも良いコレクションです。これだったら、村内美術館に勝負できるかな、といった感じは受けました。というか、まだこんなに持っているところがあったんだ、という驚きもありました。
    クールベも正直驚きました。何よりも「シヨン城」でしょう。クールベ美術館にも別ヴァージョンの「シヨン城」がありますが、おそらくこちらよりもサイズは小さいものの、出来栄えは劣ることなく、山々、空、湖の微妙な色の出し方や、綺麗な絵肌づくりは相変わらず見事です。こちらの「シヨン城」の方が後に描かれたもののようですが、背景の山の構成が異なり、また城の湖面の反射がこちらの方が大胆に試されています。もっと大きな美術館にあっておかしくないものでとても価値のある作品。
    また「狩りの獲物」も良かったです。ボストン美術館にある大作の縮小ヴァージョンとのことですが、並木上の木々を背景に狩人、猟犬、鹿を並べた構図やハイライトの当て方、木の葉の流れるような描き方など面白いです。
    その他もクールベに駄作なしということで、良い作品ばかりです。
    周辺画家として紹介されているバルビゾン派としては、ディアズ、トロワイヨン、ドービニー。ディアズの描くヴィーナスは、影から浮き上がってくるような柔らかい肌表現がやはり魅力。トロワイヨンは彼が好んで主題にした牛を描いた大作で迫力あります。ドービニーは独特の荒い筆遣いで、画面の大部分を占める雲を、中間色を上手く用いて描いてあり、こちらもトロワイヨンと同じく大作で迫力と雰囲気ある作品になっています。

    まだルノワールやドガなどの印象派作品は公開されていないので、これからの企画展を待ってまた行きたいです。ハガキを見るに、カバネルのヴィーナスの誕生の別ヴァージョンもあるらしいです。
    入館料も安くまた、画家、作品の解説も充実していて、混んでいる感じもなく、さらに6時半まで開館と、良い環境がある美術館です。近代フランス絵画に興味がある人は行ってみてください。

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    ルドン論 その①


    ゼミで、このブログでも何回か取り上げた、オディロン・ルドンについて、軽くですが文章を作って発表しました。テーマもかぶっているし、ゼミだけで消費するのもというのもあるので、2、3回に分けて、ここにも残しておこうと思います。一番参照すべき資料にまだアクセスしていない状況なので、一応まだ推敲文です。
    本当は、19世紀のフランス・アカデミズムを調べたかったのですが、日本語資料がないので、急遽ルドンをテーマとしただけに、ほとんどにわか勉強な上に、美術の小論文を書くのも初めてで、いろいろ不具合な部分があるのは否めません。しかし、自分が興味の持つ画家の知りたい部分について自分なりに資料的に扱え、良い経験になったと思います。
    今回は、ルドンの晩年における、作風の変化の背景、要因を探る、というテーマでの項を載せます。

    [ルドン論 その①]の続きを読む
    2006年の展覧会を振り返ろう


    2006年に行った展覧会を振り返ろうと思います。
    今年行った展覧会をまず挙げたいと思います。

    ・国立西洋美術館
    「ロダンとカリエール展」 「ベルギー王立美術館展」
    ・東京都美術館
    「プラド美術館展」 「大エルミタージュ美術館展」
    ・損保ジャパン東郷青児美術館
    「ウィーン美術アカデミー名品展」
    ・ザ・ミュージアム
    「スイス・スピリッツ 山に魅せられた画家たち」
    ・森アーツセンターギャラリー
    「クリーブランド美術館展」
    ・江戸東京博物館
    「ナポレオンとヴェルサイユ展」
    ・日本橋三越
    「ベオグラード国立美術館所蔵フランス近代絵画展」
    ・東京藝術大学大学美術館
    「NHK日曜美術館30年展」
    ・東京国立近代美術館
    「藤田嗣治展」
    ・三鷹市美術ギャラリー
    「高島野十郎展」
    ・東京国立博物館
    「若冲と江戸絵画展」
    ・うらわ美術館
    「近代の美人画―その耽美と憂愁」
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    大エルミタージュ美術館展 東京都美術館


    ロシアの誇るエルミタージュ美術館の絵画80点を見せる展覧会。
    展示されている絵は、様々な時代や国、表現主義の画家によるもので、幅広くコレクションを紹介しています。展示構成も、時代順、国別などではなく、一章・家庭の情景、二章・人と自然の共生…、と画題によりおおまかに分け展示しています。
    平日行ったものの、混み気味でした。が、終わりまで30分からの、最初の方の展示室の環境はとても良く、最後は一人で気に入った作品を見られて良かったです。
    また、ポスト印象派以降の絵がメインで早く見終わるかな、と思っていましたが、予想外にそれまでの近代絵画もあり、個人的には満足でした。
    因みに、図録は上のクナウスの絵の表紙と、他の絵の表紙の2ヴァージョンあるのですが、明らかに、クナウスでしょう?という取り合わせでした。実際僕がいた数分にも、クナウス図録しか売れていなかったし。

    見ながらとった走り書きをまとめて、備忘録程度に以下に残しておきます。





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