芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • i'm just doubting "is it yellow or red?"
    危ない。でも
    イタリア対オーストラリアは1-0でイタリア!
    しかし、本気でハラハラものの、劇的な勝利でした。
    ゴール!! ピーで終了なんて、翼くんの世界だ。

    マテラッツィの一発レッドはいかがわしい判定で、その後は攻撃ができないかたちになって、これはヤバい、と思ってましたが。3トップの布陣が一気に修正せまられたわけだし。
    最後のPKの判定もいかがわしいといえば、そうですが、マテラッツィの一発レッドも同様なので、審判のクオリティが低かったといえるでしょう。両方共に被害を食ったけれど、最後の最後、10人で40分守ったイタリアに勝利が転がった感じです。

    でもこれからはセンターバックが薄くなりました。
    ネスタ怪我あけで、マテラッツィが出場停止。厳しいですね。ここにきてバルザリにスポットライトが…。
    あと後半終わりに近いところの、ガットゥーゾ、ザンブロッタのイエローも気になるところ。これ以上守備が崩れるのは控えたい。

    トニはまたまた批判が集まりそうです。
    動きは良いし、シュートも的外れではないのですが得点がない。これだけで批判になるのだから厳しい。まあ、セリエAの決定力を考えれば、期待に応えて欲しいわけです。
    それにしても、イタリアはFWが多彩で、コロコロかわっていき、得点王なんかはさらさら出る気配ないです。あと、リッピはトラップ監督ほどではないにしろ、無理に攻めは考えないですからね。
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    昨日まで選ばれなかった僕らでも明日を待っている
    今日でグループリーグが終了で、いよいよW杯は決勝トーナメントに入ります。

    E組は、イタリア、ガーナが進出。
    FIFAランク2位と5位のチームが落ちました。

    イタリアはリッピの采配が良いです。
    4-5-1で始め、数的有利になって、2トップにしても全然良いのだけれど、カモラネージ下げてバローネ入れる「確実さ」はすごいですね。ネスタが負傷したのが気になりますが、次はオーストラリア戦ということもあり、休んでまた復帰してもらいたいところ。
    それとピルロが断然良いです。現段階ではトッティ以上に代えが利かなくなっているといっても良いでしょう。
    ブッフォンも好調。グループリーグでは相手からのシュートによる失点はなく、その点では完封といって良いです。

    日本は帰国になりました。
    叩かれるのはしかたないけれど、4年間は無駄、成長してないというのはいい過ぎでしょう。
    まあ、それは過大な期待の裏返しになっているのですが。
    というか、日本が4-0で勝ちますよ!なんていってうかれ騒いでいるサポーターは、純粋に日本を応援しているというより、応援している自分に酔っている感じで、よくいわれるように、自然と国を愛している、強制されなくても自国に誇りを持っている、とかそういうようにはあまり見えない。
    ブラジルは余裕でしたね。キーパー交代など見ても。
    それにしてもジュニーニョはすごく魅力的なプレーしていて見ごたえがありました。ウイイレとかバーチャルな世界でも、欲しいなっていう選手です。
    高島野十郎展 三鷹市美術ギャラリー


    福岡県出身の洋画家、高島野十郎(1890~1975)の没後30年を記念した展覧会。
    東大の農学部水産学科を卒業し、独学で画家になったそうです。評価が高まったのは、死後ということ。

    高島の題材は、花や果物などの静物、風景、肖像に分けられます。
    そして、描き方は対象の量質感を感じさせる、とても写実主義的なものです。葉、枝、髪の毛などには、かなり細かい仕事をしていて、とても絵に対して、直向きに、真摯に取り組んでいたのが感じられます。
    このような対象をそのままに写し取る、綿密な仕事は、画家のキャリア全体を見渡しても一貫しています。

    少し気になったのが、まずは、独特な線の歪み。明らかに、この曲がり方はおかしいと思うようなところがいくつか見受けられました。器や建物などの線が、何か歪んでいる。それも三つ陶器が並べられた絵は、三つの器とも左部分の線が同じような歪み方をしていて、不思議に思いました。おそらく、絵が写実的に描かれていて、なお且つ僕がそのような技術的な部分に目がいきがちだから、余計に気になるのだと思いますが。もちろん、絵の表現としての線の歪みは往々にして考えられます。
    また、後期に描かれているような一連の風景画は、大胆なタッチにたよることなく、とても細やかに仕上げられていて好感が持てますが、厳しくいうと、そのほとんどが、全体の色調を単一に保って、構図も冒険していない。一つ一つとして見ると文句なく良い絵だといえます。しかし、いくつも大人しい完成された小奇麗な絵、が並んでいると、少し他の趣向の絵も見たくなります。特に、画面を単一な色調に保つことは、それだけで絵に統一感が出ます。しかし、自己主張の弱い絵になってしまいやすい。
    描くものが、風景や静物といった動きや変化の乏しいものだからこそ、色やタッチ、構図のダイナミックな、またはキャンヴァスの大きい作品があったら、と思いました。いうまでもなく、画家の作品は今回見たものだけしか知らないので、その他にそういった作品を描いている可能性はあります(ヨーロッパで描かれた作品はタッチなどの点でこれに近いが、アトリエできちんと仕上げなかっただけの可能性もある)。
    それを考えても、今回展示されているものは、大きさは20号までくらいで、トーンを一定に保ち、構図もセンターに対象をもってくる絵が多くあるなという印象でした。付言すると、タッチを細かい筆で全体に均質的に入れると、描いているものがそれ以上に「線的」になってきてしまいます。こういった観点でみると、20代に描かれた自画像などは、後期の静物・風景画に比べれば荒削りかもしれませんが迫力があって良いと思いました。
    また場所が三鷹市美術ギャラリーということで、名前が出てきてしまいますが、この点、クールベは、同じ写実主義を志向していますが、タッチや構図などはとてもダイナミックですよね(同ギャラリーでは、この展覧会の前に「クールベ展」があったのです)。簡単に言えば、このクールベが持つようなエッセンスを持った高島野十郎の絵が見たいと思ったのです。高島の技術は、独学とは思えない素晴らしさがあるので。

    また、蝋燭や太陽、月などの光をテーマとしたある種、象徴的、観念的な連作もありました。こちらも独特な魅力を持っています。

    高島野十郎を知って実際に見たのはこの展覧会からでしたが、とても刺激を受けた展覧会でした。そして同じ週末にいったものの、「クールベ展」より人の入りが多く、人の興味をひく画家なんだなと思いました。つい、上の論評が批判的になっていしまったのも、それだけ彼の技術が見事で、僕の吸収したいものがあったから、だと思います。




    ケース・バイ・ケイオス


    E組は第二戦が行われました。
    まずガーナ対チェコは2-0でガーナ。
    この試合でW杯初めての波乱が起きました。FIFAランキング2位のチームがW杯初出場のアフリカ勢に負けました。チェコのウイファルシが退場したあとは一方的でしたね。FWの質がもうちょっと良ければ、4点以上入ったような展開でした。いつも思うけれど、チェコのFIFAランキング2位はおかしい。
    そして、イタリア対アメリカが1-1でドロー。
    この結果、4チームすべてに、チャンスがあるという混沌に。

    この試合、イタリアは得点2点でアメリカは0点。イタリア勝ちじゃんとなりますが、何と、イタリアの1点はブッフォンが守る自陣のゴールマウスへ向かう得点。
    この信じられないオウンゴールがなければ勝ちでしたが、それ以上に、10対9の数的有利状態で得点が奪えなかったのが痛い。そういうことで、あまりザッカルドのミスは責められないでしょう。(でも、パヌッチが召集されていれば…!と思ったイタリアサポーターも多かったのではないでしょうか。)
    それより、肘鉄入れたデ・ロッシの退場の方がひどいかもしれません。悪質なファウルで一回休みでは復帰できない模様。審判がレッドカード掲げて「デロッシ!」っていっている図は想像すると面白い。
    この試合でもピルロが良かったです。精確なセンタリングは光っていますね。後半に激しいタックルを受けましたが、無傷で良かった。
    あとジラルディーノの得点もすごい。(彼のゴールパフォーマンスはヴァイオリン弾きでしたか。ウイイレでも見れました。)
    ディーノの飛び出しの瞬間、トニが相手DFに羽交い絞めを受けている図も「そんな、そんな抱きつき方はないよ!」って感じで面白い。
    最後に、デル・ピエロ。ガーナ戦後、リッピと一悶着あったそうですが、(アメリカ側のレッドカードを受けたものとはいえ)後半始めの方から起用されていて、亀裂には至っていないようですね。良いシュート撃ってました。

    てことでE組はラストゲームで決まります。イタリアは引き分け以上で無条件決まり。でも主力の欠けるチェコに勝って首位をとって通過、を希望。そうするとチェコはグループリーグでおさらばになってしまいますが。
    イタリアが負けか引き分け時も、アメリカ対ガーナが読めないだけに結果は不安定です。
    イタリアとしては、この間のユーロでは、一回も負けていなくて、他の試合がかなり上手く運んでしまって得失点差で国に帰った経験があるだけに、無条件で突破したいところ。

    それと、日本はクロアチアに痛恨の引き分け。
    一様に「勝っていた」と選手はいうけれど、僕は疑問。
    ブラジルに勝たないと、という展開になり、浮き上がりはしませんでしたね。
    こうなったら、W杯うんぬん抜きに日本対ブラジルってことで観たいです。
    ナポレオンとヴェルサイユ展 NAPOLEON et Versailles  江戸東京博物館


    フランスの英雄、ナポレオン・ボナパルトのさまざまな功績や同時代の文化を、ヴェルサイユ宮殿美術館の所蔵品をメインに振り返る展覧会。
    残り一日というギリギリな感じで行ってしまい、案の定すごく混んでいました。見終わったときには入場制限状態に。
    また、江戸東京博物館の企画展示室に行くのは初めてでしたが、展示室の構造や見せ方が本当に見世物小屋っぽくて、滑稽でしたね。少なくとも絵画を見る感じの空間ではなかった。まあ、今回は、絵画展でもないし、江戸東京博物館でヴェルサイユ宮殿の所蔵品展示することがミスマッチを引き起こしている感は否めないかも。

    ということで、展示品は博物館的な要素の強いもので、僕の求めるものは少なかったです。綺麗な調度品の数々は一般受けしそうな、見事なものばかり。絵画も、有名作か、戦争記録画、歴史画、あるいはプライヴェートせいの強い肖像画が多かったです。

    絵画は、ダヴィッド、アントワーヌ=ジャン・グロ、ロベール・ルフェーヴルあたりが中心的な作品だったと思います。
    その中では、断然、グロの作品が良いです。グロは、昨年、ルーヴルで数点見て意識し始めた画家で、作品数は見てないので、また複数作品見る機会になり良かったです。
    展覧会のメインになっている「アルコル橋のボナパルト将軍」(上図)と、共和制を擬人化して表現している「共和国」(下図)と、貴族の女性を描いた「ジェラール=クリストフ・デュロックの肖像」の3作品がありました。
    ナポレオンを描いた作品は、ダヴィッドのような仰々しい演出はなく、とてもスマートに仕上げられた作品。何ともないように見えて構図も素晴らしいです。両手に旗と剣を持っていて、何となく不自然な感じに普通なりそうですが、剣を持つ手の位置と剣の画面への入れ方、顔を振り向く体勢と旗の関係のつくり方、などそれを打ち消すような画面構成をしていると思います。また、やわらかい、かすんだタッチもとても良い。これもダヴィッドの「油」のみなぎったタッチに比べると良さが引き立ちます(もちろん、ダヴィッドもさまざまなタッチを使うけど)。
    「ジェラール=クリストフ・デュロックの肖像」は新古典主義風に仕上げられた完成度の高い絵。グロはダヴィッドの新古典主義を受け継ぐ有力者だったのですが、ロマン主義的な絵も志向していたようで、アングルのようにはなれず、最後にはセーヌ川に身を投げて自殺しているということを知りました。

    絵画展として行くと、収穫は少ないとは思いますが、もちろん、これは博物館の展示なので、人の入りが示すとおり、このようなコンセプトでは楽しめる展覧会だと思います。





    W.C
    ワールドカップはじまっています。
    4年に一度ということで、僕も盛り上がって、TVで見ています。
    一様に日本中「寝不足」みたいにいうけれど、結構、自分の寝る時間に試合が終わるので、生活リズム崩れていません(流石に六時半まで見るとダメですけど)。

    それにしても、日本は残念でした。
    みんながいうように、相当厳しいですね。決勝トーナメントに出られなくても、残りは充実した試合をしてもらいたいものです。

    僕の応援するイタリアも昨日が初戦。ガーナに順当に勝ってくれました。
    伝統のカテナチオに、セリエAだけでなくヨーロッパリーグでも得点王のトニ、これまたコンスタントに活躍しているジラルディーノ、本来の輝きを取り戻したデル・ピエロ、ピッポ・インザーギなど攻撃陣はまさに厚くて多彩ですね。その攻撃陣にボールを供給するのも、トッティ、ピルロと超一流。ブラジルと決勝トーナメント初戦で当たらなければ、決勝進出まで期待できます。

    はじまって数日経ちますが、強豪国が順調に勝っていますね。
    それと、ミドルシュートがあつい。ドイツ対コスタリカ、チェコ対アメリカなどミラクルなミドルが決まりました。
    また、イタリア対ガーナのピルロのミドルもすごかったです。密集地を低い弾道で絶妙な軌道で右隅につき刺さりました。ジラルディーノの「避け」も見事だったです。

    このままいくと、決勝トーナメントは毎回見逃せないような組み合わせが見られそうです。
    すでに学業などに支障をきたしていますが、自宅で冷たいラテを飲みながら、観戦を楽しみたいと思います。
    それと、W杯中はウイイレもより面白くなります。
    進化 調和
    「じっさい、個人の幸福は人間の進歩と共に増加するであろうか。これほど疑わしいものはない。」

    フランスの社会学者、E.デュルケムのことば。
    現代の視点で割り切ってしまえば、お決まりの相対主義、みたいにいわれそうだけれど、人間は、何か目的論的に必然性を持って進歩、発展してるんだ、みたいな哲学論議がまだはびっこってた100年前に、人間の進歩を冷静に捉えなおしている点で非常に目を見張るところがあると思います。
    人間の歴史は進歩・発展の歴史で、時間が進むにつれ、幸福の度合いが増すとか、精神性が成長するとか、そんな見方はおかしいだろうと。つまり、「進歩」とみなされるものは社会構造の複雑化として価値自由的に捉えられるべきで、「進歩」によって得たものも多いけれど、失うものも同時に多いのであって、昔より幸福が増しているとはいえない、ということです。
    例えば、携帯電話ができて、もちろん、コミュニケーションの手段や機会は増えたけれど、同時にある場面でのディスコミュニケーションも生んでしまっているわけで、僕としては、やはり「携帯がなかった時代なんて…」のような見方には賛成できない。というか、そもそも、科学技術の発展=人類の幸福の増大のように両者を比例関数的に捉える人とはコミュニケーションがとれないです。
    現代社会はますます科学技術が可能とする領域が多くなって、それにつれて、望む者にはそれ相当の選択肢が与えられることになっています。僕個人としては、少し立ち止まる姿勢を持っていたいと思います。
    それと、このことに関して、見田宗介『現代社会の理論』(岩波新書)はとても示唆的。僕が社会学に興味を持つきっかけになった本で、考えたい人にはおすすめです。読んだ後、高校の現代文の教科書に一部が載っていて驚いたのも憶えています。