芸術、書籍、音楽などのレヴュー。あるいは随筆。 - Revue de l'art, le livre, la musique etc, ou essai.
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  • 中世美術館 Musee National du Moyen Age


    中世美術館というだけあって、建物も相当に古い。そんな格調あるパリの美術館で、建築だけでも見ておきたいです。

    展示内容は、中世の絵画、タペストリー、彫像、装飾品など。かなりの広さ、展示物の量があります。本当に中世キリスト教美術が結集されているという感をうけます。やはり、宗教が美術に与えた影響は大きい。

    そして、この美術館で一番有名で、見る価値が高いのが、「貴婦人と一角獣」のタペストリー(下に一部)。この六枚のシリーズのタペストリーには専用の部屋があって、一種独特の雰囲気があります。まず、五枚が人間の五感を寓意したものになっています。そして残りの一枚ですが、これには「私の唯一の望み」という文字が書かれていて、貴婦人が身に着けていた、きらびやかな装飾品などを箱に納める図が描かれています。これは世俗的な欲望を超えた、崇高な人間の哲学的ともいえる望みを表していると解釈されているそうです(完全には解釈は定まらないようですが)。とにもかくにも、すごく荘厳、神秘的な趣で、恍惚感に浸ってしまいます。
    日本語の解説プレートもおいてあります(ただし、最初のタペストリーは味覚というべきを嗅覚となぜか誤植してました…)。
    これを見るだけに行っても、十分満足できる美術館だと思います。
    実をいうと、僕も、18,9世紀仏絵画があるはずもないこの美術館は、「ついで」の気持ちで行きました。しかし、「貴婦人と一角獣」は、見たい絵画以上の、一番といっていいインパクトを受けました。




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    カルナヴァレ博物館(美術館) Musee de Carnavalet


    建物自体が、昔の王侯貴族の屋敷で、各部屋、家具調度品などにあっといわせられるパリのマレ地区の美術館。しかも入場無料。

    館内はとにかく広いです。順路というのも設定しにくい造りなので、どこを見たのか見てないのか分からなくなるほど。
    絵画は、ガイドには、ジェラール、ブーシェをはじめとする、17,18世紀のものを展示と書いてあります(これだけでもかなりの量です。匿名画家も多いし)。しかし、これだけだと思ったら大違い。
    19,20世紀のもの(トマ・クチュール、カロリュス・デュラン、クールベ、シニャック、カリエール、フジタect.)まであるなんて!
    しかも、おまけして、中世はおろか、中世以前の遺物まで並べてあるとは!
    考えていたのとは大違いです。観光ガイドは何にやってんだという感じ。もうこれは、総合美術館、博物館の域にいっています。もう、なんで入場無料なのかが分からなくなります。

    また、他に見るべきものは、ミュシャが手がけたアール・ヌヴォーの部屋があります。それまでブルボンチックな部屋が続いてきただけあって、光るものがありますね。絵画の世界だけではない、ミュシャの世界が堪能できます。

    展示は、フランスの歴史を追うような構成で、フランス史好きには聖地になりうるのでは。大革命以後の展示は相当のものがありますね。行く方は、フランスの歴史を少し勉強してから行くのがお勧めというか、知っているのと知らないのではかなり差のでる展示でした。僕も、授業でフランス社会史、思想史をかじってなかったら、ほとんどお手上げでした。

    パリの美術館の中でも、室内装飾、展示内容、クオリティともにトップクラス。ジェラールの「レカミエ婦人」、カナレットの風景画などはルーヴルにあってしかるべきだし。何度も言うように入場無料なので、興味があまりない方でも覗いてみる価値が十分です。中庭もいいし(下図)。勿論、しっかり見たい人は、結構な時間を持って行くべきことをいっておきたいです。




    モンマルトル博物館 Musee de Montmartre


     パリの北に位置する丘、モンマルトルは印象派、エコール・ド・パリの画家たちが拠点とした芸術の地です。最も有名な画家では、ルノワールがいます。またサティのような音楽家にもゆかりがあるそうです。
     そして、彼らの作品類を集めたのが、このモンマルトル博物館。博物館といっても、やはり資料よりは絵画作品の方が多いです。

     多くはあまり名の知られていない画家の作品ですが、有名所といったら、ロートレック、シュザンヌ・ヴァラドン、ユトリロ、スタンラン。
    ヴァラドンは、幾つか作品が集まっています。
     そして、見所は、テオフィール・アレクサンドル・スタンランの猫のポスター。どこかで見ている人が多い、この画家のポスターですが、僕も名前など詳しく知らず、改めてこの期に知りました。パリの土産屋にはこの絵であふれていますが、ここで現物が見られるのか! といった感じでした。
    本当に優雅に表現された猫たち!
    「シャ・ノワール」「ヴァンジャンヌの殺菌牛乳(下図)」のポスターが両方見られます。

     行かなくても行った感じに包まれるサイトもあります。
    オフィシャルサイト http://www.museedemontmartre.com/



    ジャックマール・アンドレ美術館 Musee Jacquemart‐Andre


     雑誌撮影にも使われ、宮殿とも評される、すごい豪邸のパリの美術館。
     肖像画家ネリー・ジャックマールと、銀行家エドワール・アンドレが各地から集めた美術品であふれています(二人は肖像画依頼、制作で出会い、結婚)。彼ら夫妻の美術品収集にかける情熱はすさまじく、ルーヴルとも提携するなどして、各地に実際に赴き、ルーヴル美術館予算を超えるような莫大な金額を投資していたようです。それは、イタリアのフレスコ画を持ってきて、自宅の壁に飾るレヴェルを見れば一目瞭然。

     内容としては、17~18世紀のイタリア、フランス、フランドル絵画とイタリア彫刻がメイン。イタリア絵画では、ボッティチェリ、カナレット、フランス絵画では、フラゴナール、ブーシェ、ナティエ、グルーズ、ユベール・ロベール、フランドル絵画ではレンブラント、ファン・ダイクが見られます。うん、錚々たる大画家が並んでいます。
    特にナティエの、マルキーズ・ダンタンの肖像(下図)は、この美術館の一押しになっているだけあって、構図、人物表現ともに美しいです。パリに行って、ナティエ好きになった要因もこの絵にあります。

     又、上で書いたような豪邸なので、各部屋自体が芸術的な価値を持っていて、驚かされます。アンティーク好きにもたまらないのではないでしょうか。しかも、自宅内に温室があるなんて。
     さらに、吹き抜けになっている、音楽のサロン(最下図)では、実際にヴァイオリンとギターの生演奏が聞けました!
     初めて体感した、この二重奏ですが、二人とも大変に上手く感動しました。特にギターの方は、自分が少しかじっているだけに、きちんと初めて、プロの技巧を見、演奏を聞けたということもあって。曲も少し変わった曲で、どこでも聞けるものではなく、弾いている場所が場所だけに、とても良い体験ができたと思います。しかも、後で考えると自分の誕生日だったのは奇遇ですね。

     併設されたカフェ(サロン・デゥ・テ)も有名。四方をタペストリー、頭上を天井画で囲まれ、さらに超豪邸のダイニングを利用したカフェとあって、気分は極上でしょう。

     日本語もあるオーディオガイドも無料、そして生演奏も聞けて、大変にサービスが良く、できた美術館だと思います。加えて、年中無休というのも大変に珍しいです。企画展も開いたりしてます。
     何度もいっている様に、建物、部屋も他の諸美術館の中でもずば抜けたものを持っていますし、行く価値は大であることは間違いないです! こういう、美術館と作品自体が一つの総合芸術体をなしているものは、やはり、もし仮に「ジャックマール・アンドレ美術館展」があったとしても味わえるわけなく、そこにいってみなければ本当の価値は見えてこないでしょう。

     そして、僕の尊崇する画家、エルネスト・エベールの絵を発見。マダム・アンドレの肖像の小作品ですが、エベールの作品を見る目的があってパリに行って、唯一見れたエベール作品でした。

     オフィシャルサイト http://www.musee-jacquemart-andre.com/jandre/index.htm





    マルモッタン美術館 Musee Marmottan Monet


     モネを中心とする、印象派コレクションが充実した美術館。パリのはずれ、ブローニュの森に近いところにあります。美術館自体は、美術史家マルモッタン氏の邸宅で、一階などは流石の趣があります。
     あの、印象派の名の由来にもなった、有名な「印象、日の出」もこの美術館の所蔵です。コレクションはマルモッタン氏のもの以外にも、いくつかの寄贈によるコレクションいよって構成されており、それによって、良いヴァリエーションが生まれています。

     モネが売りとあって、モネには専用の部屋があります。そこの睡蓮の間は、円形の周りに睡蓮等の作品がいくつも並べられていて、青や紫、緑を基調とした作品群がとてもうっとりとした気分にさせます。多くは、モネの息子による寄贈が大きいようです。
     また、ルノアールは、モネ夫妻の肖像、裸婦などの数点がありました。勿論、ピサロやシスレーなどの作品もあります。
     それと、僕が期待していた、印象派の女流画家、ベルト・モリゾのコレクションは、パステルこそ一室をあてられていて作品数はありますが(それでも素描程度のもの)、油彩の方はほんの数点しか展示してませんでした。大分しまってあるようですね(改装中(?)の部屋もありましたが…)。数年前にあった、この美術館の作品をもってきた「マルモッタン美術館展」ではかなりの量がきていたんですが。この時に見ておけて良かったというものです。

     マルモッタン美術館のコレクションは、印象派だけではありません。17,8世紀の絵画や中世の品々、また彫刻作品もあります。それと、ミュージアムショップは、睡蓮グッズが多数おいてあり、おしゃれです。

     睡蓮の部屋は本当に癒し空間。少人数で見られて良かったです。さんざん古典絵画を見ていると、改めてモネの斬新性が良く分かります。

     オフィシャルサイト http://www.marmottan.com/
    ドラクロワ美術館 Musee National Eugene Delacroix


     いわずと知れた、ロマン派の巨匠、ウジェーヌ・ドラクロワの住居兼アトリエを使った美術館。
     サンジェルマンデプレ駅から近くのひっそりとしたところにあります。ドラクロワの住宅とあって、内部もそれなり。中庭もあって、本当にいいお宅です。

     ドラクロワ美術館といっても、有名な大作はルーヴルなどにあり、もっぱらここにあるのは、彼の水彩、パステル画、小さな肖像画や関係作品です。しかし、ドラクロワのパステル画によるスケッチ、水彩による風景画などは初めてで新鮮でした。

     彼の作品を見ていると、タッチを生かしてどれだけ表現性を上げるか、という問題が見えてきます。それは、一つのタッチ、うねりの塊で細部を省きながらも、それを高次の表現としていく方向性です。ある作品などは、ドラクロワのものとは思えず、より近代的な感じも受けました。
     このように、精確なデッサン力を持ちながらも、簡略化へと向かい、タッチの動き、印象など(勿論色彩も)に表現の幅を求めていく過程は、他の大画家の例もある通り、興味深いですね。これは、アングル主義を受け継ぎながらも、ドラクロワの影響を受けた、シャセリオーを考えると、より考えるところがあります。

     ここに来て、今度は大作が見たいと感じたら、ルーヴルに行くのも手っ取り早いですが、さらに良いのが、同じ地区にある、サン・シュルピス教会へ行くことです。この教会自体ものすごく巨大なのですが、入ったすぐのところにドラクロワの巨大な壁画があって、迫力は教会の雰囲気もあわせて満点です。

     あとなかなかガイドの類には書かれませんが、パリの他の小美術館の例よろしく、お昼に中休みがありますので注意。



    本に書き込むということ
    前々から気にかけていたのだが、つい最近考えていたことは、本に書き込みをする人としない人がいるという、すぐにでも観察しうる事実である。
    いうまでもなく、このことは当然のことといわれてしまえば、そうとしかいえない。
    しかし、これがより興味深いのは、両者の対象認識の違いが明瞭で、その間にそれ相当の断絶があるのではないか、ということがいえそうであるからである。

    勿論、ある人はいつも本に書き込む/書き込まない、ということはなく、それはその本の種類によって異なるということは初めに断っておきたい。
    だが、書き込む作業をしたいというときに、それを本に直接するか、ノートに写すか、頭に叩き込んだりするかという違いは、ある本を設定した場合に直に分かる。

    本に書き込みすることは、とても実際的かつ機能的な行為である。こうすることによって重要な場所・内容が、即時的に、視覚的に分かるようになる。
    対して、本に書き込まない場合、ノートをとるような行為はとても時間がかかり、しかもそれを上の場合と同じようなものにするには、さらに努力が要ることは確実である。
    では、なぜ書き込みをしない人は、そのような時間、労力をかけてまで書き込まないのだろうか。

    この小論において一つ提示しておきたいのは、冒頭で述べた、本をどう認識しているかということが、両者の行動を方向付けるのではないか、ということであり、それは二項対立的な問題を帯びている。
    書き込む人は、本をとても道具的、実用的に捉えているようだ。だから、その知を媒介する機能的な道具を、最大限アップグレードすることによって、内容をものにしていこうとする。その行為は、自分だけの意義をもった、「良い本」になるということで意味化されている。
    反対に、書き込むことをためらう人は、本を、「一つの作者を持った、統一的な作品」として、捉えていることが多いのではないか。
    本に書き込みを加えることで、誰もが自分なりに、それから特別なものを享受するような体験を阻害してしまう。これは、一つの作品としての、ある公的な形式を壊すことである。
    だから、本に対して、作者が提示したままの形式を保つことは、美学的意識に繋がっている。本をこのように自分の私的な領域に引き込み、その統一体としての形式を変更することは、芸術作品としての形式を損なうことに他ならない。
    芸術作品に他の人の手を加えることは、その価値を減じてしまうのであって、本の対してのこの意識は、書き込む人とは反対のベクトルを向いているのである。それ故に、ある人は、「書き込まない」、というより、書き込むことは有益なことと分かっていながら、「書き込むことはためらわれる」のである。

    この二つのモデルは、一応の分類をしたということに過ぎなく、書き込む、書き込まないことの動機はもっとミクロ的かもしれない。それは時間がないとか、小さい字が書けないとか、という個人的な諸々の理由である。
    しかし、それを割り引いても、書き込むこと、書き込まないことが持っている意味合いは、上で提示したような意識が多くの場合で妥当しえると思う。それは、二つの認識のレヴェルが、ミクロ的な動的な理由に先立つだろうからである。
    この二つの意識を裏返しに、対象となる本に適用することで、その本の位置づけも分かるだろう事実も、この見解を支える。つまり、教科書、参考書と小説、詩集に書き込もうとする場合、やはり後者には書き込んではいけない、という意識が喚起されるだろうということだ。
    だから、ある人が書き込む本、書き込まない本を並べることで(いうまでもなく、まったく書き込む内容、必要がない本は除外する必要がある)、彼が、それらの本にどのような位置づけをしているかが分かるのである。
    この二つの意識、行動は、個人の文化的背景を捉える上で、より身近な行為であることからも、やはり面白い観察可能な事実であるだろう。
    川本真琴 川本真琴


    異色の女性シングソングライター、川本真琴の1stアルバム。
    一番のヒット曲である、「1/2」も含んでいます。

    川本真琴の曲は、はじけていてテンポが良いのが特徴。
    歌い方も、高い音が良く伸びていて、とても独特で、元気が良いです。
    変に綺麗に歌うのではなく、歌いたいように素直に歌っているみたいで。
    それから歌詞の方も、日常を歌っているものが多いような気がしますが、何処か不思議な感じですよね。
    日常といっても、現実的という意味ではなくて、身近なものを独特の世界観で歌っています。

    曲の方は、やはり、「1/2」がいいですね。とてもポップな感じで。
    でもアコースティックな感じな曲は案外、この曲だけなんですよね。
    それから、川本真琴には珍しい曲調の、「タイムマシーン」も好きです。
    ハイテンポ、ポップなものが多い中で、こういうしっとりした曲が光ります。歌詞も、表現が興味深く、良いです。
    それから「ひまわり」。この曲はとても伸びやかで、田舎の綺麗な景色が見えそうな歌詞もgood。

    現在も活動はしているみたいですが、新しいリリースはまだの状態。
    これからも期待しています。

    ピノキオ
    吉祥寺駅の南側にあるビルの3階に位置するスパゲティ屋。
    入っているビルの外観は凄まじいものがあるが、店内はそれとはかけ離れていて、中に入ってみると良い感じの店。内装よりも、ビルそのものをどうにかした方が、店側には絶対プラス。店内はそこら辺に、トマト缶、オリーブオイル、パスタなどが配置してある。最近では工芸品類も増えてきたようだ。
     やはり、ランチがお得。サラダ、スープ、スパゲッティ、ドリンク(紅茶orコーヒー)で800円から1000円程度。スパゲッティは、味付けが良く、結構美味しい。オリジナルなトッピングのパスタが多く、こってりとした感じである。
    LA BETTOLA per tutti ラ・ベットラ ペル トゥッティ
    西新宿の野村ビルにあるリストランテ。
    店内の雰囲気や、店員の接客など良く、予算に上限がある方はランチにいくのが良いかなと思います。スープ、サラダ、フォッカッチャ、パスタで確か、1050円でしたね。スープはこった感じでおいしいです。パスタも量こそないが、そこそこの(怒られるかな…)味はあります。食後にコーヒーなどは? って聞かれたけど、それ意識しているなら、最初から付いていてくれるとなお良いんですが。
    ま、それを含めて、お上品なお店ですね。というか、銀座の有名店ののれん分け店らしいですね。
    それと店内で、パン、お菓子類を販売してました。